1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04557021
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
谷口 克 千葉大学, 医学部, 教授 (80110310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 雅元 千葉大学, 医学部, 講師 (40161393)
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Keywords | cDNAライブラリー / PCR / 単一細胞 / サブトラクション |
Research Abstract |
単一細胞由来の遺伝子ラブラリーを作製し、固有の遺伝子を単離することを最終目的とした。 1.微量のRNAから出発し、cDNA合成、環状化後、2段階inverse-PCRを行うことが可能であるかをまず検討した。結果として、1ngのtotal RNAから出発してバンドの検出が可能であった。これは細胞約100個に相当する量である。故に、他の方法で、効率を100倍程度上昇させれば単一細胞からでも可能であることがわかった。 2.環状化反応条件の検討 cDNAの両端(プライマー)のリン酸化の有無で環状化反応の効率に10倍程度の差があり、cDNA増幅の効率が上昇した。また温度は14〜16℃が最適であった。しかし、反応液中にPEG、DMSOなどを添加してもその効率に変化はなかった。 3.プライマー検討 PCRプライマーのデザイン:このデザインが非常にクリティカルであることが判明した。特別なコンピューター・プログラム(OLIGO・ver4.0)を用いることにより、ヘアピン構造やSelf-Annealingを防ぐデザインを得ることができるようになった。また、このプログラムを使うことにより、Tm値が高く、自由エネルギーの低いPCRプライマー・ペアを簡単にデザインできるようになり、PCR効率が上昇した。このようにデザインしても、免疫グロブリン遺伝子スパーファミリーと相同性があるために失敗した例もあった。 4.PCR反応条件の検討 PCR反応の特異性を上昇させ、非特異性的反応を減らすため、Hot-スタートや各種detergentを検討したところTriton-X100を添加したHot-の条件が非常に良好であった。 今年度はライブラリー全体の増幅法、ベクターの検討、およびサブトラクション法の検討を行いたい。
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[Publications] Tsuneyoshi INABA: "Double step and inverse polymerase chain reactjon for sensitive detection and cloning of T cell receptor variable region sequence" Intl.Immunol.3. 1053-1057 (1991)
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[Publications] Masahiko SUZUKI: "Expansion of murine T cells bearing a unique TCR β-chain in Friend virus-induced tumor in situ" J.Immunol.148. 2968-2973 (1992)