1992 Fiscal Year Annual Research Report
駆動システムを含んだ完全体内埋め込み型全人工心臓の臨床応用に関する基礎的研究
Project/Area Number |
04557058
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
仁田 新一 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助教授 (90101138)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福留 明 K. K. 日本ゼオン, 主任研究員
檜山 浩国 K. K. 荏原総合研究所, 主任研究員
佐藤 尚 東北大学, 医学部, 講師 (20114499)
松木 英敏 東北大学, 工学部, 助教授 (70134020)
橋本 弘之 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (10006174)
|
Keywords | vibrating flow pump / oscillated blood flow / blood flow distribution / implantable artificial heart / total artificial heart / ventricular assist device / hemolysis / percutaneous energy transmission system |
Research Abstract |
現在開発中の電磁駆動振動流ポンプ4号機を使用して、ポンプ内の流れの可視化評価により流体力学的側面から検討し、特に弁室部のウォッシュアウト効果により設計の改良を行い、基本設計方式の確立を図った。更に電磁駆動部の設計の改良を行い、システムの効率化を図った。更に本人工心臓の駆動メカニズムの詳細な力学的解明と特性テストをモデル循環を用いて行った。溶血テストを牛血によりモック閉鎖循環回路を用いて行い、バイオポンプ及びローラーポンプとの比較検討を行った。その結果、開発中の人工心臓の溶血量は市販のローラーポンプとほぼ同等であることが判明した。更に健常成山羊を用いた急性動物実験を行ない、駆動条件の循環系への影響の検討、特に駆動周波数を変化させた時の、各重要臓器への血液分布の変化を検討し、多臓器不全症例への治療周波数を検討した。完全埋め込み型のシステムとするために、経皮的エネルギー伝送システムの開発を行い、アモルファスを用いた新しい高効率のシステムを開発した。引き続いてこの人工心臓の流量自動制御システムを開発し、駆動制御の簡便化を図った。また本人工心臓の特殊な流量波形が生体の循環制御システムに与える影響を解明するため、非線形数学理論を用いて解析を加え、高速振動流における循環動態にも自然心臓循環下と同様の周波数帯域に生理的な範囲の揺らぎ成分が観察される事実を解明し、かつ最終的な循環動態が自然循環と同様決定論的カオスの法則にのっとっていることを究明し、神経生理学的にも興味深い結果を解明しつつある。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 山家 智之,仁田 新一,他: "高速振動流が自律神経機能に与える影響" 人工臓器. 21. 1390-1394 (1992)
-
[Publications] 永沼 滋,仁田 新一,他: "ガス交換能から検討した電磁駆動式ポンプの膜型人工心肺への応用" 人工臓器. 21. 682-687 (1992)
-
[Publications] 薗部 太郎,仁田 新一,他: "低潅流量条件における高速振動流の体血流分布に与える影響" 人工臓器. 21. 464-471 (1992)