1992 Fiscal Year Annual Research Report
超高精度医用フーリエ変換質量分析装置MFTMSの新開発と麻酔ガスモニター
Project/Area Number |
04557069
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
三條 芳光 浜松医科大学, 医学部, 助手 (40115481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 考澄 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80204478)
池田 和之 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00010215)
佐藤 一雄 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (50003489)
風間 富栄 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (40158837)
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Keywords | 質量分析装置 / 麻酔ガスモニター / フーリエ変換 / フーリエ変換形質量分析装置 / 永久磁石 / 超伝導磁石 / 血液ガス / 呼気ガス |
Research Abstract |
研究計画に従い、医用に必要な構成要素を検討し、実機製作のための基礎資料となる基礎検討を行った。以下、検討の結果明らかになった主な点をまとめる。 (1)医用の質量数の確定 目標とする医療分野用のMFTMSの大きさや要求性能を決定するのは、測定対象ガスや応用分野の仕様に密接に関連しているの。このため、麻酔中必要なガス成分について、四重極型質量分析装置を用いて、質量スペクトラムを検索した。この結果、酸素の質量電荷比(m/e比)は32、窒素28、炭酸ガス12、笑気30、デスフルレン50-52、セポフルレン131、イソフルレン149、エンフルレン67、ハロセン195-200を使用すれば同時独立分離測定が可能と分かった。しかし、m/e比12、52、67には他のガス成分のフラグメントが生じ、信号補正を行なわねばならないことが明かであった。しかし、この結果、質量数の上限200までに、対応したMFTMSを製作すれば麻酔分野で実用になることが分かった。又、ハロセンの独立分離測定を断念し、さらに小型化を図る場合には質量数の上限は150が適切との結論に達した。 (2)実機試作 以上の結論をもとに第一段階の実機の試作が進行中である。この段階で、整数質量数の等しい笑気(44)および炭酸ガス(44)について予備測定を行なった。この結果、完全なピーク分離が得られた。したがって、少なくともこの両ガスについては出力の大きい分子ピークで直接測定が可能と思われた。他に揮発性麻酔ガスに対してもスペクトルがえられたが、完全独立ピークではないので、従来機のように信号補正は必要である。これらは、まだ定性的な指針をえたに過ぎなく、定量性、直線性については定かではなく、実機の完成を待って、定量評価を行なわねばならない。その他、波形表示用ソフトウエアーの開発を行なった。 (3)応用分野についての検討 応用分野について検討し、呼気ガス分析についてはフーリエ変換の高速繰返しが現状では難点があり、血液ガスなどの応用分野に向いていることが分って来た。
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[Publications] Yoshimitsu Sanjo: "Monitoring of lnhalational Anesthetic Concentration" Anesthesia Today. 1-3. 16-23 (1992)
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[Publications] Yoshimitsu Sanjo: "Simulataneous measurement of 5 anesthetic and 3 respiratory gases with quadrupole mass spectrometer and simple technigue of calibration" Computing and Monitoring in Anesthesia and Intensive Care. 462-468 (1992)
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[Publications] Kazuyuki Ikeda: "Applicability of a fourier transform mass spectrometer to respiratory gas analysis" Journal of Clinical monitoring. 8-2. 166-167 (1992)
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[Publications] 山崎 博実: "フーリエ変換型質量分析計による呼気分析への応用の試み" 麻酔. 41. 621-621 (1992)