1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04557082
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永澤 恒 九州大学, 歯学部, 教授 (10013848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 俊一郎 九州大学, 生医研, 助教授 (60117166)
中島 美砂子 九州大学, 歯学部, 助手 (20207773)
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Keywords | 歯髄細胞培養 / ノーザンブロット / コラーゲンI型 / コラーゲンIII型 / オステオカルシン / アルカリフォスファターゼ / 象牙芽細胞誘導因子 |
Research Abstract |
ウシ永久歯根尖完成歯髄の細胞をトリプシン-コラゲナーゼ酵素消化法(中島,1991)により分離し、分離直後の細胞および培養1週、2週、3週および4週目の細胞のtotal RNAをAGPC法により抽出した。total RNAを10μgずつ1%アガロースゲルで電気泳動し、Nytran【〇!R】メンブレン上にトランスファーさせた。ランダムプライマー法により ^<32>Pでラベルした各cDNAプローブを用いてノーザンハイブリダイゼーションを行った。またDNA合成量、細胞数、 ^<45>Ca取り込み量およびCa量の経時的変化を調べ、各mRNA発現との関連性を検討した。DNA合成量は14日目でピークに達しその後低値を示した。細胞数は4日目から増加し、16日目で横ばい状態となった。 ^<45>Ca取り込み量は徐々に増加し3週目で一定となり、Ca量は4週目で最大となった。4週目のnodule内では細胞周囲で初期石灰化像がみられた。一方、α1(III)コラーゲンは1週目で減少し2週目で増加しその後再び発現の減少がみられた。α1(I)コラーゲンおよびフィブロネクチンの発現は2週目で増加した。アルカリフォスファターゼおよびオステオカルシンは4週目において強い発現がみられた。したがってこれらの結果から、ウシ初代歯髄細胞培養系においては、培養4日から2週にかけて細胞が増殖し、1週から2週にかけてコラーゲンI型、III型およびフィブロネクチンの合成がすすむ。3週でnoduleが明らかとなり4週で初期石灰化が生じる時期にはアルカリフォスファターゼおよびオステオカルシンの強い発現がみられることが明らかとなった。すなわち、アルカリフォスファターゼとオステオカルシンのmRNAの発現は前象牙芽細胞誘導因子精製のためのマーカーとして有効である可能性が示唆された。
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