1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04557093
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
太田 房雄 徳島大学, 医学部, 教授 (90035478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 寿次 長瀬産業(株), 研究開発センター, 主任研究員
弘田 克彦 徳島大学, 歯学部, 助手 (60199130)
西野 瑞穂 徳島大学, 歯学部, 教授 (90029976)
湊 義博 徳島大学, 保健管理センター, 教授 (00035768)
福井 公明 徳島大学, 歯学部, 教授 (40035407)
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Keywords | ミュータンス群連鎖球菌 / EIA / 単クロン抗体 / 迅速診断法 / 血清型 / う蝕発生リスク / ハイブリドーマ / 遺伝子型別 |
Research Abstract |
設備品として計画通り、イムノウオッシャー、分光光度計、超純水製造装置を購入した。前二者は本年度実施計画の主要項目であるミュータンス群レンサ球菌群に属する抗S.mutans単クロン抗体(MAb)の特異性と力価の検定法として酵素免疫測定法(EIA)を行うのに高効率、高再現性をもたらした。また、超純水装置の設置により、MAb産生細胞の出現率が高くなった。いずれも多いに役立ち予相以上に研究が進んだ。まず、c-e-f血清型特異MAb細胞f-89を大量に培養して抗体を精製し、酵素標識した。17菌株54株についてこの抗体の特異性を調べると、標準菌株c-e-f特異性が証明され、凍結乾燥後に融解してもその力価と特異性に変化なく、7〜10週間4℃で安定であった。一度に作製できる本抗体量は2〜4mgで、計算上数万人分の集団検診に使用できる。一方、c型菌とのみ反応するMAbmc-1抗体が得られた。この抗体は標準c型菌株の一部および臨床分離株のうち、他の方法で血清型不明株の80%以上の菌株と反応した。全ミュータンス群分離株の10〜15%が型別不能株であることを考えると、本抗体は研究代表者が提唱した新しいc亜型の存在を強く示唆し、新しい知見である。この点今後遺伝子型別、SDS-PAGEパターン等により確認する必要がある。一方d-g、およびd-g-h型特異MAb産生ハイブリドーマの発育が悪く、抗体の大量産生が出来なかった。仔牛血清が高価でロット間の差によるものと考えられる。今後改良を要すると考えられた。しかし、本抗体で検出される菌株は臨床上10%未満であり、次年度の研究遂行上問題とならない。 以上のように本年度実験計画はほぼ100%達成され、次年度計画であるう蝕発生リスク迅速診断キットプロトタイプ作製に成果が期待される。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Batoni,G.,Ota,F.,: "Epidemiological survey of Streptococcus mutans in a group of adult patients living in Pisa(Italy)." Eur.J.Epidemiol.8. 238-242 (1992)
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[Publications] Ota,F.,Batoni,G.,: "Serological identification of mutans streptococci using MAbs in comparison with biochemical and DNA-DNA hybridisation techniques." Zbl.Bakt.(suppl.). 22. 84-87 (1992)
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[Publications] Hirota,K.,: "A comparison of various EIA plates for the analysis of polysaccharide antigens and serological identification of oral streptococci." Zbl.Bakt.(suppl.). 22. 116-118 (1992)
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[Publications] Nagamune,H.,Ota,F.,: "Monoclonal antibodies specific for a polysaccharide antigenic determinants of Streptococcus mutans(sorotypes c,e and f)." Zbl.Bakt.(suppl.). 22. 223-225 (1992)
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[Publications] 安富 豊、松田 洋子,他: "単クロン抗体を用いた酵素抗体法の齲蝕活動試験への応用(第一報)" 小児歯科学雑誌. 30. 186-193 (1992)
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[Publications] 弘田 克彦,他: "モノクロン抗体を使用した酵素免疫測定法によるミュータンスレンサ球菌の迅速簡易同定法" 四国歯学会雑誌. 5. 65-74 (1992)
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[Publications] 高野 篤 編,斎藤 肇,他著: "エッセンシャル微生物学第III版" 医歯薬出版株式会社, 740 (1993)