1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04557096
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
米光 宰 岡山理科大学, 理学部, 教授 (60001038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 範行 北海道大学, 薬学部, 助手 (40188959)
堀田 清 北海道大学, 薬学部, 助手 (50181540)
浜田 辰夫 北海道大学, 薬学部, 助教授 (40001979)
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Keywords | マクロリド抗生物質 / ポリエーテル抗生物質 / ポリエ-フルマクロリド / ラクトン化 / 立体選択的反応 / 計算化学 / コンホメーション制御 / 保護基 |
Research Abstract |
本研究は、創薬の基礎となる現代精密有機合成化学の進歩に寄与するため、極めて複雑な構造を有するマクロリド及びポリエーテル抗生物質の立体選択的合成を行い、さらに化学的ハイブリッド合成による人工抗生物質の創製、微量の海洋産制がんポリエーテルマクロリドのハリコンドリンBなどの合成を目的として行われている。本年度にえられた成果の概要を以下に示す。 1.マクロリド類の合成:マクロリド合成の鍵反応はセコ酸のマクロラクトン化であり、セコ酸の配座制御が最も重要である。MM2-CONFLEX3計算およびMMR精密測定によりセコ酸の配座を予測し、マクロラクトン化に適したエリスロノリドAのセコ酸誘導体を合成した。これをDMAPで活性化し、定量的にマクロラクトン体を合成する方法を確立した。16員環ラクトンのコンホメーションを計算とNMRにより予測し、保護基の変換などによりコンホメーションを制御し、立体選択的酸化還元により、カルボマイシン系の一連のアグリコン類の合成に成功した。計算化学による予測により合成計画を立案し、テダノリド合成中間体の18員環ラクトンの高効率合成に成功した。 2.ポリエーテル類の合成:テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環の新合成法を確立し、複雑な構造を有する一連のポリエーテル抗生物質合成に応用し、イソラサロシドA、ラサロシドAの合成に成功し、更にリソセリンの初めての合成も完了した。 3.ポリエーテルマクロリドの合成:海洋産微量ポリエーテルマクロリドの代表的化合物で強い抗腫瘍性をもつハリコンドリンBは極めて複雑な構造を有している。この合成に当り、C1-C15(A),C16-C27(B),C28-C36(C),C37-C54(D)の4つのフラグメントを立体選択的に合成し、A+B+CおよびB+C+Dの縮合が完了し、大環状ラクトンの閉環にも成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Horita,K.: "Stereoselective Total Synthesis of Polyether Ionophore Antibiotics,Isolasalocid A and Lasalocid A.Part2." Tetrahedron. 49. 5997-6018 (1993)
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[Publications] Horita,K.: "Stereoselective Synthesis of Optically Active 3,5-Dihydroxy-4-ethyl-2-methylpentyl Derivatives." Chem.Pharm.Bull.41. 2044-2046 (1993)
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[Publications] Nishida,A.: "Asymmetri Acetalization and Lewis Acid Promoted Diastereoselective Radical Cyclization." J.Org.Chem.58. 5870-5872 (1993)
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[Publications] Horita,K.: "Synthetic Studies of Halichondrin B,an Antitumor Polyether Macrolide Isolated From a Marine Sponge.1." Synlett. 38-40 (1994)
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[Publications] Horita,K.: "Synthetic Studies of Halichondrin B,an Antitumor Polyether Macrolide Isolated from a Marine Sponge.2." Synlett. 40-43 (1994)
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[Publications] Nishida,M.: "Lewis Acid-Prompted Diastereoselective Radical Cyclization Using a,b-Unsaturated Esters." J.Am.Chem.Soc.116. 6455-6456 (1994)