1994 Fiscal Year Annual Research Report
多機能タンパク質の機能性部位に着目した動的立体構造解析法の開拓
Project/Area Number |
04557101
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
嶋田 一夫 東京大学, 薬学部, 教授 (70196476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井町 美佐子 日本ブルカー(株), 技術部, 技術課長
加藤 晃一 東京大学, 薬学部, 助手 (20211849)
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Keywords | NMR / 抗体 / 抗原認識 / タンパクタンパク相互作用 / 動的立体構造 |
Research Abstract |
抗原結合部位には,両親媒性を有するTrp残基およびTyr残基が豊富に存在していることが知られている.そこで,Trp残基およびTyr残基の主鎖アミド窒素を^<15>N標識したFabフラグメントを用いて,抗原結合部位の同定を行った.主鎖アミド基に由来するNMRシグナルの部位特異的帰属は^<13>C-^<15>N二重標識法により行った.現在までに,二重標識可能な全てのシグナルの帰属を完了している.スピンラベル化抗原アナログであるNP-AmTEMPOを化学合成し,このアナログの添加実験により抗原結合部位の同定を行った.その結果N1G9の抗原結合部位には,H1ループに位置するW33,L3ループに位置するW91,W99が存在していることが明らかとなった.N1G9とC6のそれぞれのTyr残基およびTrp残基に対して同様のスピンラベル添加実験を行った結果,N1G9,C6いずれの場合にも,Y32(L1ループ),W91,Y92,W96(L3ループ),W33(H1ループ)およびH3ループの残基にシグナル強度の減少が観測された.したがって,N1G9およびC6の超可変ループには数多くのアミノ酸変異がおきているにもかかわらず,いずれの抗体においても抗原結合部位は,L1,L3,H1,H3ループで形成される領域であることが判明した.
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[Publications] H,Takahashi: "Role of the Domain-Domain Intoraction in the Construction of the Antigen Combiniy Site" J.Mol.Biol.243. 494-503 (1994)
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[Publications] N.Shimba: "Comparartive Thermodynamic Analysis of the Fu,Fab,Fab" FEBS Letters. (in press).