1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04557112
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
神 隆 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (80206367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 富康 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (50001681)
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Keywords | イオン認識 / カリックスアレン / 蛍光プローブ / 細胞内Na^+,K^+ / イオノフォア / 顕微分光 |
Research Abstract |
カリックスアレン型化合物は、疎水性の高い人工イオノファーであり、我々は、生体内で極めて重要な、ナトリウムおよびカリウムイオンの細胞内情報伝達に果たす役割をこれら人工イオノフォアーを用いる事により解明しようと努めてきている。最終的には、神経細胞、心筋細胞を対象として、これらイオンの濃度変化を、新規ナトリウム、カリウムイオン蛍光プローブを用い顕微分光でモニターできるシステムの開発をめざしている。今年度の研究総括を以下にまとめる。 (1)バリノマイシンのような膜電位形成型のイオノファーとして、ナトリウムイオンに関しては、これまでのところほとんど報告がない。カリックス[4]アレンのエチルアセテート誘導体は、バリノマイシン同様中性型のイオノファーであるため、その機能が注目されてきた。我々は、リポソーム系でナトリウム勾配をつけた場合、上記カリックスアレンにより、膜電位が発生するかを、膜電位応答色素を用いて調べた。その結果、有意な電位形成が認められ、新規ナトリウムイオノファーとして応用できることを明かとした。現在、心筋細胞に対する効果を検討中である。 (2)2波長での蛍光測光によるナトリウム、カリウムイオンの濃度変化が可能な新規細胞内イオンプローブ開発は、基本的分子設計部分が完了し、現在細胞膜を透過させるためにプローブのエステル化を進めているところである。2波長での蛍光測光可能なものとして、これまでにない分子内エネルギー移動を利用したプローブの合成に成功しており、この事により励起波長の可変化に道が開けた。またこの方法では、従来問題となった細胞内の内在性蛍光物質の励起による蛍光のバックグラウンドの除去が可能となる。 (3)測定装置の開発については、NIH研究所の画像イメージングソフト(NIHimage)を利用した2波長測光システムの基礎に、ソフト、ハード両面からの開発が進行中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takashi Jin and Tomiyasu Koyama: "Ion Transport Prepsrties of Calix[q]arene Derivatives Across Bilayer Membrane" J.Am.Chem.Soc.
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[Publications] Takashi Jin and Tomiyasu Koyama: "Design of Fluorescent Ion Probes Based on Intramolecular Energy Transfer" J.Am.Chem.Soc.