1994 Fiscal Year Annual Research Report
高感度三次元蛍光ストップドフロー装置の開発と抗原抗体反応解析への応用
Project/Area Number |
04557114
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
折井 豊 京都大学, 医学部, 助教授 (60028149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長村 俊彦 (株)ユニソク, 研究員
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Keywords | 蛍光ストップドフロー / スペクトル三次元表示 / データ解析 / SVD法 / 微視的速度定数 / 微分方程式 |
Research Abstract |
1。光励起NADHがプロトンを放出する性質を利用し、蛍光性のpHプローブであるピラニンの蛍光スペクトルの時間変化をミリ秒の時間分解能で記録することに成功した。キセノンフラッシュを励起、兼モニター光に用いることにより、時間分解能をマイクロ秒の領域まで上げる可能性を検討し、有望な結果を得た。 2。光励起状態の分子に対して分子状酸素は消光剤として作用する。蛍光効率、寿命を伸ばすためには酸素濃度を下げることが望ましい。そのために酸素ポンプ(ト-レ)を用いて、酸素濃度がサブマイクロモラ-レベルに維持可能な反応システムを作り上げた。 3。データ収集に用いたコンピュータとワークステーションなどをethernetで接続して、データの保存や解析のための効率のよいシステムを作り上げた。 4。データ解析と、解析結果表示のためのシステムを種々の汎用数値解析用のソフトを用いて作り上げた。このシステムの概要は以下の通りである。 515x512のマトリックスに納めたスペクトルデータを先ずSVD法で処理し、変化する主要なスペクトル成分の個数を求める。次に、このスペクトル成分のすべてを含む反応モデルを想定し、微視的速度定数の初期推定値を用いて微分方程式で各成分の消長を表し、その結果を時間変化のマトリックスに収納する。pseudoinverseを用いた演算で反応成分のスペクトルを求め、改めて時間変化のマトリックスとから予想されるスペクトル変化を導く。この計算で求めたスペクトルと、実測スペクトルデータの差が最小となるように微視的速度定数の最適化をはかり、反応モデルと反応中間体のスペクトルを半自動的に求められるようになった。動力学的研究には極めて有力な解析手段となるものと予想される。 5。メタロチオネインの抗体作成を試みたが、うまくゆかず、代替試料の利用を考える必要性を感じた。
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[Publications] Orii,y.,Miki,T.,Kakinuma,K.: "Kinetic characberization of the redox componento in solubilized mempranes from porcineneutrophils:Reducfion with dithiouite・・・" Photochem.Protobiol.(印刷中). (1995)
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[Publications] Orii,Y.,Mogi,T.,Sato-Watanabe,M.,et al.: "Facilitotcd In tcamolecular elcctson fransper in the Eschesichia coli bo-type ubiquinol oxidase requires chloride" Biochemistuy. 34. 1127-1132 (1995)
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[Publications] Orii,Y.,Mogi,T.,Kawasaki,M.,Anrapu,Y.: "Facibitated tnfiamoleculai elecpon tianspr in cytochsome botype ubiguinoloxidese in itiotcd upon reaction of the pully seduced euzyme・・・" FEBS Lett.352. 151-154 (1994)
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[Publications] 折井 豊: "電子伝達系酵素のダイナミクス" 蛋白質核酸酵素. 39. 1152-1160 (1994)