1993 Fiscal Year Annual Research Report
Lp(a)リポ蛋白の簡易・迅速測定法及びイソ型分画測定法の開発並びに臨床への応用
Project/Area Number |
04557127
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
野間 昭夫 岐阜大学, 医学部, 教授 (30208384)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 佳典 徳山曹達(株), つくば研究所, 主任研究員
塚田 裕 (株)SRL, 研究部, 部長
牧野 和彦 岐阜大学, 医学部, 助手 (80181618)
清島 満 岐阜大学, 医学部, 助手 (10171315)
安部 彰 岐阜大学, 医学部, 助教授 (30175898)
|
Keywords | 免疫比濁法 / ラテックス免疫凝集比濁法 / アポ(a)イソ型 / 自動分析装置 / パーソナルコンピューター / 表現型 / 遺伝型 / 制限酵素KpnI |
Research Abstract |
簡便性及び迅速性を備えたLp(a)測定法として免疫比濁法があり、これには単純な免疫比濁法(TIA)とラテックス免疫凝集比濁法(LIA)とがあり、我々はこの両者を対象として検討した。 両者ともに直線性、再現性、簡便性、迅速性などでは殆ど変りなかったが、TIAの場合には感度の面で劣ることが明らかになった。血清Lp(a)測定においてはTIAでは約3mg/dlが測定限界であるのに対し、LIAでは約0.3mg/dlまで測定可能であった。現在のところ、血清Lp(a)の3mg/dl以下での臨床的意義は認められていないが、今後、表現型或いは遺伝型との関連から新たな意義が認められるようになることが予想されるので、我々は最終的にLIAを用いることゝした。 この免疫比濁法で最も問題になるのはアポ(a)イソ型の違いによって凝集塊の大きさが異なり、Lp(a)値に相違が出ることであったが、我々の開発した方法は全てのイソ型に同等に働くものと考えられ、また自動分析装置への応用も容易であった。 一方、イソ型分画はUtermannらによる分類に従って行なった。従来からの方法を種々改良し、とくに判定の自動化及び客観性を目的としたパーソナルコンピューターと接続したノギスを用いて電気泳動像のRfを求め、それによるイソ型分類を自動的に行うことに成功し、良好な結果を得ることができた。 研究分担者安部彰がUtermann研究室に半年間留学し、Lp(a)遺伝型分画法について研究修得してきた。この方法は血液単核球からgenomic DNAを抽出し、制限酵素KpnIで分解して生じた分画をパルスフィールド電気泳動によって分離・分画するものである。プローブはLawnらによるアポ(a)cDNAクローンの〓a6に由来したものを用いた。今後、先の表現型とこの遺伝型の比較などが必要となるが、将来は再現性その他の面から考慮して、遺伝型が主となるであろう。
|
-
[Publications] 山下寿美子.他: "リポ蛋白(a)の自動分析法" 生物試料分析. 16. 132-139 (1993)
-
[Publications] 吉村佳典.他: "全自動免疫化学分析装置501XによるLp(a)の測定" 日本臨床検査自動化学会雑誌. 18. 234-237 (1993)
-
[Publications] 山下寿美子.他: "免疫比濁法(TIA)によるLp(a)測定の検討" 医学と薬学. 30. 887-892 (1993)
-
[Publications] A.Abe,A.Noma 他: "Lp(a) phenotyping using a computerized micro scale and phenotype frequencies in a healthy Japanese population." Clin.Chim.Acta. 219. 149-157 (1993)
-
[Publications] A.Noma,A.Abe 他: "Lp(a):an acute phase reactant?" Chem.Phys.Lipids. 67/68. 411-417 (1994)
-
[Publications] A.Abe,Y.Yoshimura 他: "Fully mechanized latex immunoassay for serum lipoprotein(a)." Clin.Chim.Acta. (印刷中). (1994)