1992 Fiscal Year Annual Research Report
通常赤外分光法を用いた人体中脂質変動の非侵襲的測定法の臨床応用
Project/Area Number |
04557128
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
吉田 敏 大分医科大学, 医学部, 助教授 (50158440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 正純 大分医科大学, 医学部, 教授 (50019551)
酒井 久美子 大分医科大学, 医学部, 教務員 (60225753)
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Keywords | 赤外分光 / FTIR / 口腔粘膜 / 非侵襲的 / トリグリセリド / 血液 / データベース / プログラム |
Research Abstract |
これまでの研究で、通常赤外分光法による口腔粘膜の測定が可能になり、測定感度や安全性についても問題なく、血液中のトリグリセリドなどの脂質の変動を予想する事が出来るだけでなく、口腔粘膜系の疾患の解析にも今回のシステムが非侵襲的に利用できる可能性を示した。まず最初に、小型のFTIRの装置を購入し汎用の高速なコンピューター(486 50MHz MS-Windows 3.1)で測定と解析が行えるようにした。この装置は事務机の半分程を占有だけの小型の機械で狭い外来でも十分に使用できるものである。この機械にこれまで大型のFTIRに装着していた新開発のATR付属装置を取り付ける必要があるため、新しく検出装置の回路や台座をその小型機用に設計し製作した。その間これまでの装置で口腔粘膜を多く測定しデータを蓄積し解析した。この結果を「医学のあゆみ」に発表した。また、歯科口腔外科の医師とも共同しておもに老人で口腔粘膜に疾患を持つ患者を10名程度測定した。まだ十分な数の症例を集めていないが赤外スペクトルに興味ある変化を認める症例もあった。このことから血液中の脂質の変動を間接的に評価するのみでなく、口腔内の癌などの疾患の早期診断(これまで口腔外科領域では組織を切りとるなど患者に負担のかかる事でしか評価の方法がなかった)にも使える可能性が示唆された。データの解析では、効率よくスペクトルの強度のデータベースを構築するためのプログラムを開発した。このプログラムは、Win3.1の中で動きFTIRのプログラムの中から一発で立ちあげ、2次微分のスペクトル強度のほとんど全てのデータとスベクトルの図を印刷し半自動でディスクに保存する事が短時間に出来るようにした。このことにより外来でも測定後容易にデータを得る事が出来るようになるものと思われる。また来年度この小型のシステムに新しい回転式プローブを装着できるように開発中である。
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[Publications] Yoshida,S.,Miyata,M.Yoshida,H.&Takeshita,M.: "Change of conformational disorder in membrane lipids in the pulmonary artery of monocrotaline-injected rats detected in situ by Fourier transform infrared spectroscopy" Vibrational Spectroscopy. 3. 271-276 (1992)
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[Publications] 吉田 敏,酒井 久美子 岡田 恵子,竹下 正純: "口腔粘膜の赤外スペクトルのinvivo測定と血中トリグリセリド値との関係" 医学のあゆみ. 164. 147-148 (1993)
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[Publications] Takeshita,M.,Yoshida,S.,Miyata,M.,&Yoshida,H.: "Analysis of factors in hypertension:Change of membrane fluidity in the arteries of spontaneously hypertensive and monocrotaline-injected rats." Clin.Exp.Pharmacol.Physiol.19. 33-35 (1992)
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[Publications] 吉田 敏: "「膜学実験シリーズ」第1巻「生体膜編」4.1.5赤外スペクトル" 共立出版,