1993 Fiscal Year Annual Research Report

抗IL-2RB鎖モノクローナル抗体を利用した新しいヒト細胞移植モデルマウス作製

Research Project

Project/Area Number	04558014
Research Institution	Tokyo Metropolitan Institute for Medical Science
Principal Investigator	宮坂昌之財団法人東京都臨床医学総合研究所, 免疫研究部門, 研究員 (50064613)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	名和行文宮崎医科大学, 寄生虫学教室, 教授 (10040172) 上山義人東海大学, 病理学教室, 助教授 (30072408) 浦野浩司 (財)実験中央研究所, 研究員 (80213510) 北村ふじ子 , 研究員 (90124453) 田中稔之 , 研究員 (30217054)
Keywords	IL-1受容体beta鎖 / NK細胞 / SCIDマウス / SCID-Huマウス
Research Abstract	ヒト細胞をマウスに生着させることができればきわめて高い医学的応用が考えられる。しかし、現在までヌードマウスやSCIDマウスのような免疫不全マウスを用いてもたかだか約30%位のヒト腫瘍しか生着させることができず、特に正常細胞を生着させることはきわめて困難であった。この主な原因は、これらのマウスには通常のマウスよりもはるかに高いNK細胞活性があり、このためにヒト細胞が拒絶されてしまうことである。われわれはNK細胞が細胞表面に多量に発現するIL-2受容体beta鎖に対するモノクローナル抗体の作製に成功し、この抗体の投与がNK細胞の除去に対してきわめて有効であることを示している。そこで、本研究ではこの抗体を投与することによりNK細胞欠損マウスを作製し、ヒトを異種動物からの細胞の移植が可能なモデルマウスの作製を試みるとともに、そのようなマウスの有効性について検討した。その結果、次のようなことが明らかになった。【.encircled1.】抗IL-2受容体beta鎖抗体の投与はNK細胞を選択的かつ長期的に枯渇させる:SCIDマウスIL-2受容体beta鎖に対するモノクローナル抗体 TM-beta1を1mg腹腔内投与することにより、NK細胞が約5週間の間、脾臓から完全に消失することが確認された。【.encircled2.】抗IL-2受容体beta鎖抗体投与マウスにおける成人T細胞白血病(ATL)細胞の生着:これまでATL細胞をマウスに移植することはきわめて困難であった。しかし、抗beta鎖抗体投与マウスにおいてはATL細胞が高率に生着することが確認された(京都大学ウイルス研の内山卓教授との共同研究)。このようなマウスは、ATLの治療実験において今後きわめて有効な実験動物となることが考えられる。【.encircled3.】抗IL-2受容体抗体投与マウスにおけるその他のヒト腫瘍細胞移植の試み:固形癌ではよい成績が得られていない。

Research Products
(6 results)

All Other

All Publications (6 results)

[Publications] Tanaka,T.,Kitamura,F.,Nagasaka,Y.,Kuida,K.,Suwa,H.and Miyasaka,M.: "Selective long-term elimination of natural killer cells in vivo by an anti-interleukin 2 receptor chain monoclonal antibody in mice." The Journal of Experimental Medicine. 178. 1103-1107 (1993)
[Publications] Kondo,A.,Imada,K.,Hattori,T.,Yamabe,H.,Tanaka,T.,Miyasaka,M.,Okuma,M.and Uchiyama,T.: "A model o fin vivo cell proliferation of adult T-cell leukemia." Blood. 82. 2501-2509 (1993)
[Publications] 田中稔之: "T細胞およびNK細胞の発生におけるIL-2の役割" 臨床免疫. 24. 1637-1644 (1992)
[Publications] 田中稔之: "Thy-1^+alphaECの発生とIL-2レセプターbeta鎖" 免疫・Immurology. 2. 58-60 (1992)
[Publications] 田中稔之: "上皮内gammadeltaT細胞の発生とサイトカイン-Thy-1^+alphaECとIL-2システムを中心にして-" 臨床免疫. 25. 778-783 (1993)
[Publications] 田中稔之: "Dendritic epidermal T cells-IL-2レセプターbeta鎖の発現-" Medical Immurology. 25. 57-63 (1993)

1993 Fiscal Year Annual Research Report

抗IL-2RB鎖モノクローナル抗体を利用した新しいヒト細胞移植モデルマウス作製

Principal Investigator

宮坂 昌之 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 免疫研究部門, 研究員 (50064613)

Research Products

[Publications] Tanaka,T.,Kitamura,F.,Nagasaka,Y.,Kuida,K.,Suwa,H.and Miyasaka,M.: "Selective long-term elimination of natural killer cells in vivo by an anti-interleukin 2 receptor chain monoclonal antibody in mice." The Journal of Experimental Medicine. 178. 1103-1107 (1993)

[Publications] Kondo,A.,Imada,K.,Hattori,T.,Yamabe,H.,Tanaka,T.,Miyasaka,M.,Okuma,M.and Uchiyama,T.: "A model o fin vivo cell proliferation of adult T-cell leukemia." Blood. 82. 2501-2509 (1993)

[Publications] 田中 稔之: "T細胞およびNK細胞の発生におけるIL-2の役割" 臨床免疫. 24. 1637-1644 (1992)

[Publications] 田中 稔之: "Thy-1^+alphaECの発生とIL-2レセプターbeta鎖" 免疫・Immurology. 2. 58-60 (1992)

[Publications] 田中 稔之: "上皮内gammadeltaT細胞の発生とサイトカイン-Thy-1^+alphaECとIL-2システムを中心にして-" 臨床免疫. 25. 778-783 (1993)

[Publications] 田中 稔之: "Dendritic epidermal T cells-IL-2レセプターbeta鎖の発現-" Medical Immurology. 25. 57-63 (1993)

宮坂昌之財団法人東京都臨床医学総合研究所, 免疫研究部門, 研究員 (50064613)

[Publications] 田中稔之: "T細胞およびNK細胞の発生におけるIL-2の役割" 臨床免疫. 24. 1637-1644 (1992)

[Publications] 田中稔之: "Thy-1^+alphaECの発生とIL-2レセプターbeta鎖" 免疫・Immurology. 2. 58-60 (1992)

[Publications] 田中稔之: "上皮内gammadeltaT細胞の発生とサイトカイン-Thy-1^+alphaECとIL-2システムを中心にして-" 臨床免疫. 25. 778-783 (1993)

[Publications] 田中稔之: "Dendritic epidermal T cells-IL-2レセプターbeta鎖の発現-" Medical Immurology. 25. 57-63 (1993)