1993 Fiscal Year Annual Research Report
高品質超伝導体を用いた極低温トンネル接合放射線検出器
Project/Area Number |
04558030
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石橋 健二 九州大学, 工学部, 助教授 (00159766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 進 電子技術総合研究所, 電子デバイス部, 室長
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Keywords | 超伝導 / トンネル接合 / ニオブ / アルミニウム / 陽極酸化 / フォトリソグラフィー |
Research Abstract |
当該年度は、アルミニウム/アルミニウム酸化物/アルミニウム構造のトンネル接合製作に、陽極酸化を主体にしたプロセスが適用できるかどうかを実験的に調べた。陽極酸化は比較的な簡単な装置でできる簡便なプロセスである。しかしながら、湿式法であるので、制御性や均質性に問題が生じる可能性もある。陽極酸化だけを使用してアルミニウムトンネル接合を製作した例は報告されていない。 アルミニウム/アルミニウム酸化物/アルミニウムの三層体は、スパッタリングで形成した。保護のために、三層体の上下にニオブ層をつけた。陽極酸化は下部電極・下部電流リードの予備形成に1回、トンネル接合部の最終形成・下部電流リードの最終形成に1回と合計2回行うようにした。 陽極酸化はフォトマスクでパターニングした後に行った。アルミニウム酸化物は電圧に対して絶縁性が高いので、陽極酸化電圧が低くなるように、陽極酸化するアルミニウムの厚さを薄くした。1回目陽極酸化は、顕微鏡で観察してほぼ完全にきれいな面になっていることが確認できた。2回目の陽極酸化では、陽極酸化面が汚くなっており、陽極酸化面保護に問題が残った。 温度0.4Kで電流電圧特性を測定し、アルミニウムのエネルギーギャップがはっきりと観測できるトンネル接合が製作できるようになった。しかしながら超伝導漏れ電流が残っており、放射線計測に使用できるグレードには至っていない。これは2回目の陽極酸化の不完全性が原因していると思われる。
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