1992 Fiscal Year Annual Research Report
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04559001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松島 純一 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (60173829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 宏行 (株)日立製作所中央研究所, センター長
栗城 真也 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (30002108)
伊福部 達 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (70002102)
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Keywords | 人工内耳 / 蝸牛 / 耳鳴 / 蝸牛神経核細胞 / 触覚 / 電気刺激 / 時間分解能 / 音響放射 |
Research Abstract |
【目的】本課題の目的は、外来において耳鳴抑制を目的とする簡便で廉価な電気耳鳴抑制装置の試作とさらに難治な耳鳴に対して開発した蝸牛外刺激型人工内耳を埋め込み型電気耳鳴抑制装置として試作を行うことにある。 【結果】1.プロトタイプで治療した患者のデータ(使用されている刺激波形は100Hz,片側100μsecのダブルパルス)と比較して、サイン波の方が消費電流量が少ないことが分かった。また100Hzから1kHzまではの閾値に対しては差がみられないことがわかった。 2.刺激時間は効果が得られた群では50μAの刺激の強さで十分であることが分かった。この時刺激開始から3分以内に効果が得られている。 3.刺激時のインピーダンスはおよそ2kOhmであった。 4.信号伝送部は埋め込み型の刺激装置とするために非接触型としチップコイルを二次側に使用した。 5.二次側インピーダンスを2kOhmとし、50μAの出力を得るために一次側に流した電流による熱の発生を恒温層でみたところ、温度の上昇はなかった。 6.サイン波を用いた外来治療における300名の難聴耳鳴患者での抑制効果は約60%であった。 7.刺激間隔が短いほど耳鳴抑制効果が大きい。 8.埋め込み型耳鳴抑制装置を希望する患者数は4名である。 9.他覚的検査である脳磁図検査では、電気刺激により耳鳴が抑制された場合P2mの振幅が大きくなった。 10.蝸牛の刺激による耳鳴抑制は、自律神経系(副交感神経)を介して行われることが分かった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 平田 恵啓、伊福部 達、坂尻 正次 松島 純一: "「蝸牛電気刺激によって生じる感覚について」" Otology Japan. Vol.35,No.6. 659-665 (1992)
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[Publications] 松島 純一、犬山 征夫: "「蝸牛電気刺激によるEABRの変化-蝸牛神経核細胞の大きさ-」" 日本耳鼻咽喉科学会会報. Vol.9,No.5. 1366-1371 (1992)
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[Publications] 熊谷 雅彦、松島 純一、犬山 征夫 今村 俊樹、伊福部 達: "「蝸牛電気刺激後に出現する音響放射について」" Otology Japan. Vol.9,No.5. 660-666 (1992)
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[Publications] 高橋 国広、松島 純一、熊谷 雅彦 犬山 征夫、伊福部 達: "「人工内耳用電極の被覆に使用する高含水ゴムの安定性について-電気生理学的および組織学的検討-」" 耳鼻. Vol.38. 476-480 (1992)
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[Publications] 松島 純一、熊谷 雅彦、原田 千洋、高橋 国弘、犬山 征夫、伊福部 達: "「触覚、聴覚、岬角電気刺激の時間分解能に関する実験-聴覚代行としての蝸牛電気刺激-」" 日本耳鼻咽喉科学会会報. Vol.9,No.5. 1372-1378 (1992)
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[Publications] Matsushima,J.,Kumagai,M.,Harada,C.,Ifukube,T,Hirata,Y.: "「A new model of extracochlear auditory prosthesis using a digital signal processor」" Proceeding of the Second International Symposium on Transplants and Implants in Otology. Vol.9,No.5. 345-349 (1992)