1992 Fiscal Year Annual Research Report
集団的資源利用状況における不確定変数の実験心理学的分析
Project/Area Number |
04610033
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
瀧川 哲夫 北海道大学, 文学部, 助教授 (30098503)
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Keywords | 資源ディレンマ / 社会学的不確定性 / 複数資源 / 戦略分析 / 均衡解 |
Research Abstract |
本年度は,社会学的不確定性状況の実験パラダイムとしてもっとも簡単な場面である3人,4人,5人ゲーム事態を設定して実験を実施した。設定状況は,2種類の固定量資源(X,Y)が存在する場合に,利用者グループAは資源Xのみを,グループBは資源Yのみを,グループCはX,Yのいずれかを選択して消費するという場面である。いずれの利用者も当該資源に対して好きな量を要求することができるが,各資源に対する要求量の総和が資源量(xあるいはy)を越えると,その資源利用者は何も得られない。2つの資源の利用者数はグループCのメンバーがXを選ぶかYを選ぶかに依存する。3人ゲームではCグループの人数が1人,4人ゲームではグループCが2人,5人ゲームではグループCが3人であった。 結果については現在分析中であるが,おおまかな特徴は興味深いものがある。すなわち,被験者の取る戦略は,代表者が解析した相互推論過程に基づくゲーム解とも,またゲーム論的ナッシュ解とも異なる,かなり柔軟な相互調整戦略を利用しているようである。次年度の実験と合わせて総合的に解析する予定である。
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