1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04610064
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Univ. |
Principal Investigator |
増山 英太郎 東京都立大学, 人文学部, 教授 (80086933)
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Keywords | 落語 / 漫才 / CM / おかしさ / ユーモア / 落ちの分類 / イメージの評価 / 聞き手の印象 |
Research Abstract |
最終年度は研究発表番号7)から13)の7つの発表を行った。そのうち、最初の二つ7)と8)はこれまでの研究をもとにして、依頼されたテーマにあわせて書いた論文であり、続く9)〜11)は学会発表であるので、それほど重要ではない。より重要なものは、最後の二篇の研究論文である。12)の「落語、漫才、CMの特徴比較」は、落語、漫才、CM各5つを29名の被験者にビデオで見せ、そのおかしさを7段階評定させる実験の結果を論文化したものである。評定点合計で見ると、漫才と落語、漫才とCM間には有意な相関があった。よく笑う人かどうかを調べるには漫才が、ユーモアのセンスを調べるには落語がそれぞれ適していると結論づけている。最後の文献13)は「枝雀による落ちの4分類の実験的研究」と題する、丁度、人間工学会誌への掲載が決まった論文である。落語家、桂枝雀は落ちを4分類しているが我々が実際に学生に落語を聞かせて、直後に12個の形容詞対によってイメージを評定させた結果からもおおよそ支持された。だが、両結果にはまだ開きがあるようで、これをうめるには以下の二点を考慮することが必要であろう:一つは、我々の実験方法をきめ細かのものにすることであり、もう一つは、枝雀の4分類を、もっと聞き手の印象による分類に近づけることが必要であろう。 以上が本年の研究概要であり、研究費の補助によって研究がかなりの程度進んだが、おかしさのメカニズムに迫るには、あと少しの努力が必要のようである。
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Research Products
(13 results)
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[Publications] 増山 英太郎: "落語のオチの計量心理学的研究" 人間工学. 28(特別号). 222-223 (1992)
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[Publications] 増山 英太郎: "計量・感覚心理学から見た感性" 大阪大学知識科学研究会第7回年次大会資料集. 1-16 (1992)
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[Publications] 増山 英太郎: "おかしさの計量心理学的研究" 日本心理学会第56回大会発表論文集. 8 (1992)
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[Publications] 勝見正彦・増山英太郎: "落語のオチのオカシサの計量心理学的研究(1)" 日本人間工学会第22回関東支部大会講演集. 92 (1992)
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[Publications] 増山英太郎・勝見正彦: "落語のオチのオカシサの計量心理学的研究(2)" 日本人間工学会第22回関東支部大会講演集. 91 (1992)
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[Publications] 増山 英太郎: "おかしさの計量心理学的研究" 女子美術大学紀要23号. 161-181 (1993)
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[Publications] 勝見正彦・増山英太郎: "緊張・緩和と「笑い」について" 現代のエスプリ6月号 至文堂. 133-143 (1993)
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[Publications] 増山 英太郎: "おかしさの予測-実験心理学からみた笑い" こころの科学 日本評論社. 48. 39-46 (1993)
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[Publications] 勝見正彦・増山英太郎・伊豆野健二: "落語のオチの分類の実験的研究(1)" 日本心理学会第57回大会発表論文集. 93 (1993)
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[Publications] 伊豆野健二・増山英太郎・勝見正彦: "落語のオチの分類の実験的研究(2)" 日本心理学会第57回大会発表論文集. 94 (1993)
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[Publications] 増山英太郎・伊豆野健二・勝見正彦: "落語のオチの分類の実験的研究(3)" 日本心理学会第57回大会発表論文集. 95 (1993)
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[Publications] 勝見正彦・増山英太郎: "落語,漫才,CMの特徴比較" 人間工学 No5. 29. (1993)
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[Publications] 増山英太郎・勝見正彦: "枝雀による落ちの4分類の実験的検討" 人間工学. (投稿中). 307-312