1993 Fiscal Year Annual Research Report
フィールド研究による睡眠-覚醒リズムの強制的移行と個人差
Project/Area Number |
04610083
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Research Institution | Notre Dame Seishin University |
Principal Investigator |
石原 金由 ノートルダム清心女子大学, 家政学部・児童学科, 助教授 (80159756)
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Keywords | 概日リズム / 朝型-夜型 / スライド・シフト / 体温 / 活動数 / 眠気 |
Research Abstract |
目的 日常生活とは異なる周期,つまり1日を24時間で過ごす生活から1日を25時間として生活させた際の概日リズムの適応過程を,概日リズムの位相差(朝型-夜型)の観点から検討した。 方法 被験者とは朝型5名,夜型9名の女子大学生が用いられた。実験期間は被験者1名につき12日間で,この間携帯用体温計測装置および携帯用活動計(アクティグラフ)により連続的に直腸温・活動数が測定され,覚醒期間中には起床直後,就床直前および偶数時刻に主観的眠けの測定が実施された。実験期間はコントロール期4日,シフト期(スライド・シフト)4日,回復期4日から構成され,コントロール期および回復期では普段通りの生活を要請した。シフト期では,就床および起床時刻を1日につき1時間ずつ遅らせて生活してもらった。すなわち,1日を25時間として被験者は過ごした。 成果 朝型-夜型間でシフト・スケジュールへの適応を比較した結果,シフト期間中の睡眠時間,コサイナ分析による体温および睡眠・覚醒リズムの周期については,いずれも夜型の方がより適応していることが推測された。すなわち,シフト期前半の睡眠時間は朝型で減少し,体温や睡眠・覚醒リズムの周期は夜型の方が25時間に近かった。この結果は従来の報告と一致するものの,主観的眠けについては,朝型の方が眠けは少なく,とくにシフト期後半においてその傾向が顕著であった。また,性格検査の結果についても,従来は外向-内向,神経症的傾向の尺度に両型間で差が認められていたにもかかわらず,本研究ではどの尺度にも差はなかった。これは,本研究における朝型と夜型の被験者数のバランスがとれていなかったことが原因かもしれない。今後の展望として,近年リズム障害の治療に利用されている高照度光の効果(概日リズムに与える光の効果)を検討したいと考えている。
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