1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04610108
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小谷 朋弘 広島大学, 法学部, 教授 (60106789)
|
Keywords | 裁判外紛争処理 / 紛争処理 / 法意識 / 法律相談 / 法律援助 / 裁判 / 調停 / 交通事故紛争処理センター |
Research Abstract |
本研究は2年計画でなされるが、本年は広島市において3つの調査を実施。1つは、市に布置する裁判外紛争処理機関についての実態調査。今回は主要な機関として交通事故紛争処理センター、警察総合相談所、生活センター、市役所相談窓口を取り上げた。しかし、個人のプライバシーの問題もあって、相談件数、相談内容の概括的な把握にとどまり、属性別の細かいデータをうるまでには至らない。ただこうした制約はあるものの、最近クレジット契約にかかわる問題が増加していることなどが明らかとなった。 2つ目は、市民調査である。当初は、市民2000名を対象に紛争処理経験の有無をハガキで聞くことになっていたが、予備調査では、処理経験をもたない市民が多いのか、それともこの種の調査については拒否が多いのか、回答率はきわめて低かった。そこで今回は、(1)回答し易い調査票を用意し、市民1000名に郵送、(2)かなり詳細で、この調査データだけでも研究課題の究明に十分な調査票を用意し、市民500名に面接調査。 (1)の調査は、予想されたように、回答率も低くわずか24.5%(245票)。しかし処理経験をもちしかもききとり調査に協力すると答えた市民は124名におよぶ。(2)の調査は、都心部であるにもかかわらず、回収率は65.0%(325票)。その中で処理経験をもつものは67名である。 3つ目が、処理経験をもつ市民191名に対するききとり調査。実際には、重複する問題を整理し、100名を選出。しかし、今年度で調査をすべて完了できない。その理由は、問題が複雑である上に、専門家のアドヴアイスを求めたいという市民の要求もある程度充足しなければならないからである。そのため1つのケースについて相当の時間がかかってしまう。 以上の3つの調査の総合的なまとめと防府市調査が平成5年度の課題となる。
|