1992 Fiscal Year Annual Research Report
個人生活史研究に対する意識変容論・物語論・記憶研究等の貢献可能性の検討
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04610116
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
水野 節夫 法政大学, 社会学部, 教授 (70105849)
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Keywords | 個人生活史研究 / 生活体験論 / トランス体験 / 変要体験 / インパクト分析 / 自己環境 |
Research Abstract |
1.関連文献の収集については、本の収集と論文の収集とでは、事情が異なる。本の場合は、物語論や意識変容論関連文献を中心にして、各分野とも、いわばいもずる式にある程度集めることができているように思うが、論文レベルになると、現在対象を絞り込む作業を行なっているので、次年度の前半ぐらいまでに関連機関への問い合わせ・収集作業が一応終了することになるはずである。 2.意識変容論へのぼくなりの取り組み方については、「『中学生のみた昭和十年代』と個人生活史--三段階の分析の試み--(中)‐の中の「生活体験の分節化‐の項で仮想現実論・共感覚論・トランス体験論という形で言及しておいた。なお、シャーマニズム論や多重人格論の含意を引き出すのはこれからの課題。 3.記憶論とアイデンティティ論との接続という作業については、「『中学生のみた昭和十年代』と個人生活史--三段階の分析の試み--(下)‐の「インパクト分析論‐の項で自己論に言及する形で小括的見解を提示するつもりである。そこでは、自己論展開のためのいくつかの用語(自己原型・核心的自己、自己感覚・自己存在の感覚、自己イメージ・自己像とその結晶化とあいまい化)の提示と説明を行なうことになる。 4.生活史研究に物語論をどう生かすかという点についてのイメージは現在ほぼ固まりつつあるところ。次年度の作業で一定の成果を出せることになるはずである。 5.歴史記述論に関する作業は、引き続き関連文献の読書を続けていくという段階。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 水野 節夫: "『中学生のみた昭和十年代』と個人生活史研究-三段階の分析の試み-(上)" 『社会労働研究』. 第38巻第3・4号. 80-118 (1992)
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[Publications] 水野 節夫: "『中学生のみた昭和十年代』と個人生活史研究-三段階の分析の試み-(中)-1" 『社会労働研究』. 第39巻第2・3号. 342-370 (1992)
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[Publications] 水野 節夫: "『中学生のみた昭和十年代』と個人生活史研究-三段階の分析の試み-(中)-2" 『社会労働研究』. 第39巻第4号. 189-211 (1993)