1992 Fiscal Year Annual Research Report
地域社会の権力構造についてー特に西日本の農村を事例としてー
Project/Area Number |
04610126
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
春日 雅司 摂南大学, 経営情報学部, 助教授 (90152660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹安 栄子 追手門大学, 文学部, 助教授 (70131414)
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Keywords | 地域社会 / 権力構造 / 地区(域)推薦 |
Research Abstract |
本研究における目標は、地域社会における人々の意思決定、とりわけ投票・集票行動という政治の場における意思決定のメカニズムを知ることにあった。その際、限られた予算とマンパクーを効率よく利用するために、地域における「町内会・自治会」などの地区組織の会長・区長を対象にアンケート法による調査を実施することとした。また、当初は調査対象として鳥取県だけを考えていたのであるが、鳥取県4市の自治体におもむいて区長名簿提供の可否について問い合わせてみたところ、いくつかの自治体からは協力が得られそうにもないということが判明し、鳥取県以外にも追加しなければ有効な調査ができないと判断した。そこでいくつかの県を候補として考え、西日本の農村でも鳥取とはかなり事情の異なる大分県を追加することに決定した。こうして各自治体に依頼し名簿の提供を求め、調査の準備を進めると共に、調査集計等のためにパソコンを導入した。調査の実施は以上のような事情から当初予定より遅れたが、11月より1月にかけて順次発送し、回収したものから整理を進めることにした。調査票の発送総数は、鳥取県が2,091通、大分県が1,498通、回収率は鳥取県が1145(54.8%)、大分県が814(54.3%)であり区長に対する調査としては十分な成果が期待できるものとなった。現在なお回答の集計作業が続けられており、具体的結果を出すには若干時間を要するが、これまでのところ、農村部における意思決定のメカニズムは、極めてゆるやかに変化しているが、しかしその本質は変化していないということが分った。最後に、今回私のこれまでの研究では全く視野に入っていなかった大分県のデータが得られたのは大きな収穫であったと言える。
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