1992 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管疾患患者・家族の生活の質の推移とその関連要因に関する研究
Project/Area Number |
04610130
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
手島 陸久 東京都老人総合研究所, 保健社会学部門, 研究員 (30148192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高梨 薫 東京都老人総合研究所, 保健社会学部門, 研究助手 (60250198)
朝倉 木綿子 東京都老人総合研究所, 保健社会学部門, 研究助手 (70192937)
杉澤 秀博 東京都老人総合研究所, 保健社会学部門, 研究員 (60201571)
奥山 正司 東京都老人総合研究所, 保健社会学部門, 研究員 (50073036)
佐久間 充 東京都老人総合研究所, 保健社会学部門, 室長 (90010066)
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Keywords | 脳血管疾患 / 療養生活 / 生活の質 / 追跡調査 / 抑うつ / 介護負担 / 活動 / ソーシャルサポート |
Research Abstract |
本研究は,1991年度に実施した脳血管疾患患者と介護者への第1次調査の対象者を追跡し,脳血管疾患患者とその介護者の生活の質の推移とその関連要因,および療養形態の変化(入院・入所,他の家族員宅への移動,死亡等)の実態とその予知因子を解明することを目的としている.この第1次調査は都内の3病院のリハビリテーション科から1991年1月より1992年1月末の期間に自宅へ退院した脳血管疾患患者とその主介護者に対し退院後2ヵ月の時点(1991年3月〜92年4月)で実施され,176ケースの有効回答を得た.本研究では,これらのケースについて退院後1年半の時点での追跡調査を1992年7月より順次実施している.追跡調査は,(1)電話調査(その時点での療養状況の確認と介護者・患者調査への協力依頼),(2)介護者調査(郵送留置法.調査項目は,患者の状況,介護実態,介護負担感,抑うつ,各種のソーシャルサポート,保健・福祉サービスの利用状況等),(3)患者調査(訪問面接法.抑うつ,障害受容,社会的活動度,ソーシャルサポート等)からなる.上記のような研究方法のため現時点ではまだ全ての対象者の追跡を終了していないが,92年2月末時点での中間結果は以下の通りである. (1)電話調査の結果:1991年7月末までに退院した追跡対象者94人中,死亡が4例,入院中が3例,住居の変更等で連絡不能2例であった.入院中3例のうち1例は在宅ケアをほぼ断念し長期ケア施設を検討中だった.なお,介護者・患者調査への協力拒否は5例であった. (2)介護者・患者調査の結果(集計分61例):退院後1年半の期間中の脳卒中の再発作は「有り」が9例(15%).入院経験「有り」は再発作を含め20例(33%)だった.介護者の抑うつ・負担感・自覚症状数,患者の抑うつではやや減少の傾向がうかがわれている.なお,患者の身体状況や活動度,抑うつでは個人差が拡大しているとの印象である.
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