1993 Fiscal Year Annual Research Report
児童の学習プロセスの動態分析を通した教員養成における実践的力量の形成
Project/Area Number |
04610142
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Research Institution | FUKUI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
寺岡 英男 福井大学, 教育学部, 助教授 (90115303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳沢 昌一 福井大学, 教育学部, 助教授 (70191153)
森 透 福井大学, 教育学部, 助教授 (20182199)
松木 健一 福井大学, 教育学部, 助教授 (10157282)
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Keywords | 学習過程 / 追求 / コミュニケーション / 教員養成 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画は以下の通り。 1)附属小のカリキュラムの再構成、2)学習の形成過程を捉え直す方法を提示し、授業研究の方向を提起する、3)教員養成カリキュラムの具体的提起、4)研究報告書の作成。 以下1)-3)についてそれぞれ成果をまとめてみる。 1)総合学習では、各学年での取り組みがなされたが、それらはおおよそ「環境や自然に関する内容」「生産や社会に関する内容」「国際や文化に関する内容」という3つの領域に分類することができる実践であった。 2)授業研究のなかでは「学校知」の捉え直しが提起されている。それは知的な探求を実現する方向で授業をつくっていくことの主張であるが、構想・実践の具体的レベルにまでは降りたものになっていない。そこで本研究では、学習過程の展開を生成的にとらえる方法として、追求活動の展開と主体相互のコミュニケーションの編成の展開との連関において捉える視点を提起した。さらにはデューイの探求の構成や附属小の実践への長期の関わり、長野・伊那小の授業記録の分析などをとおして、追求-コミュニケーション編成の展開を(1)発意-合意の局面、(2)構想-調査の局面、(3)構築-分業の局面、(4)遂行-発表の局面、(5)省察-相互評価の局面を含む重層的なサイクルの展開という構図で捉えられることを提起した。 3)附属小の実践への長期の関わりや長野・伊那小の授業記録の分析を学部の総合科目「学習過程研究」で行うことをとおして、現場の授業と結びついた学習過程を軸に、教育実習事前・事後学習の新たな見直しなどを検討することができた。
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[Publications] 柳沢昌一: "学習過程の内在的省察のために" 日本社会教育学会紀要. 第29号. (1993)
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[Publications] 寺岡英男、柳沢昌一他: "学習過程における認識発展と〈追求-コミュニケーション編成〉の展開" 福井大学教育学部紀要. 第46号. 53-117 (1993)
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[Publications] 森透: "教育実践史研究の意味するもの" 筑波大学日本教育史研究年報. 第2号. 55-57 (1993)
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[Publications] 寺岡英男: "力学教育の方向" 北海道大学教育学部紀要. 第62号(発表予定). 9 (1994)