1993 Fiscal Year Annual Research Report
世紀転換期の日本とドイツにおける都市化と子ども期に関する比較史的研究
Project/Area Number |
04610149
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鳥光 美緒子 広島大学, 教育学部, 助教授 (10155608)
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Keywords | 都市化 / 子ども史 / 社会化 / 子どもの生活空間 / 世紀転換期 / 聞き書き |
Research Abstract |
前年度においては、ドイツ語圏の先行研究を整理することによって、西欧圏における子ども期の生活空間の変化の特徴を明らかにした。それを受けて今年度においては、ヴィースバーデンとライデンを対象として行われた、世紀転換期の大都市の子どもの生活空間についての比較都市史的調査を参考にして、わが国の都市における子どもの生活空間の聞き取り調査に着手した。 調査対象としては、広島市と那覇市という文化的にも都市形成のプロセスからいっても対照的な二都市である。なお那覇市の調査については、琉球大学の嘉数朝子助教授の協力をえた。現在、広島市十一名、那覇市十一名についての聞き取りが終わった段階であり、その成果の一部は『幼年教育研究年報』に報告するとともに、「研究成果報告書」においては、鳥光が担当した広島市の聞き取り調査の成果を報告した。 広島市の証言結果に関して言えば、「室内化」という、西欧圏の子ども期の変化傾向がおおよそわが国の子どもの生活空間の変化を見るうえでも、示唆的であることが示された。しかし、これらの調査は予備調査の段階であり、とくに今回の場合は、証言者が全員男性で、しかもその社会的出自についてもかなり偏りがあったことから、今後、証言者の地区、性別、社会的出自などを考慮して、本格的な調査研究を行いたいと考てえいる。
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