1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04610270
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
武井 協三 国文学研究資料館, 研究情報部, 助教授 (60105567)
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Keywords | 榊原文書 / 弘前藩庁日記 / 歌舞伎 / 浄瑠璃 / 能 / データベース / 芸能 / 近世 |
Research Abstract |
近世を代表する芸能、歌舞伎・人形浄瑠璃についての資料は、元禄期以前は、大名家の日記類が貴重な記録を提供してくれている。新潟県上越市の上越市立図書館に所蔵される高田藩榊原家の文書には、貴重な観劇記録が頻出するが、学界には未紹介であった。 そこで、本研究では次の調査、研究をおこなった。 1.上越市立図書館をおとずれ、原本「日記」を閲読。慶安3年(1650)より元禄16年(1703)の藩政日記66冊の通読を終了。 2.この66冊より、歌舞伎・浄瑠璃および能の観劇記事を拾いだし、「翻刻ノート」を作成した。 3.「翻刻ノート」によってコンピュータに入力するためのデータシートの仕様を検討・試作した。 4.「翻刻ノート」をもとに、原本より関係部分103枚の写真撮影をおこなった。 5.上記と平行し、榊原文書と比較研究上重要な、青森県弘前市立図書館蔵の「弘前藩庁日記」の調査をおこなった。 上記の過程において、次の成果が得られた。 1.歌舞伎・浄瑠璃の上演記録88点を得ることができた。これは近世演劇研究において全て新資料である。とくにこの時期の歌舞伎・浄瑠璃に多くの新演目を加えることができたのは、今後の研究に資するところが大きい。 2.能の上演記録に関係する記事、約450点を得ることができた。大名家の芸能上演の頻繁さを証する資料であるとともに、近世能楽史の重要な資料に入鍬できた。 3.大名家の芸能上演記録データベース作成のための、データを大幅に増やすことができた。
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Research Products
(1 results)