1992 Fiscal Year Annual Research Report
80年代日本の国政選挙の統計的分析 -市町村を単位として-
Project/Area Number |
04620037
|
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
高畠 通敏 立教大学, 法学部, 教授 (70062586)
|
Keywords | 国政選挙 / 新潟県 / 市町村別データ / 多変量解析 / 80年代 / 重回帰分析 / 二次計画法 / 統計的分析 |
Research Abstract |
本年度は、第一に、80年代以降の新潟県の選挙データおよび社会的・経済的・人口動態的データを、113市町村単位で、計算機に入力することに努めた。未だ、入手に手間取っている若干の指標が残されてはいるものの、この目標は、本年度において、ほぼ80%達成されたといえる。また、全国データについても、参議院比例区を中心とする選挙データ、5年おきの国勢調査を中心とする基本的なデモグラフィック・データを80年代に関して入力することができた。 これらのデータを使いながら、異なる年度、異なるレベルにおける選挙間の得票移動について、また、選挙結果の社会的・経済的要因に関する説明について、予備的な分析が行われた。この結果、 1。80年代の選挙において、主要政党の得票分布が、府県単位でもまた新潟県の市町村単位でも、89年参議院選挙を例外として、著しく固定化していること、 2。92年参議院選挙において、自民党は議席の上において89年の敗北を取り戻して勝利したにもかかわらず、実際の票数においては、89年と府県単位でも新潟県の市町村単位でもほとんど伸びていないこと、 3。新潟県においては、この間、参議院の補欠選挙(1991年)、知事選挙(1989年)がおこなわているが、そこでの自民党(推薦をふくむ)候補の得票パターンとそのレベルは、参議院比例区とほとんど同一であること、 4。1992年度の知事選挙で、自民・社会が共同の推薦候補を立てた結果、二次計画法による推定では、社会党票が分解したと推定されること、 5。各党の固定化した投票パターンを重回帰分析で、社会・経済・人口動態上の指標で説明を試みた場合、府県別の参議院比例区データについては、自民党の説明効率がもっとも高く、5つの変数の組み合わせで75%に達すること などの事実が明らかにされた。これらの結果は、雑誌、新聞などで発表され、また研究会で報告され、高い注目を集めている。今後、データを完備して、全面的な分析に入る予定である。
|