1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04630053
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹内 信仁 名古屋大学, 経経学部, 教授 (00022476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 晶夫 名古屋大学, 経済学部, 助手 (30242803)
西垣 泰幸 四日市大学, 経済学部, 助教授 (20180599)
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Keywords | 財政投融資 / 公共資本 / 生産効果 / 一般会計 / 社会資本ストック / マクロモデル |
Research Abstract |
平成4年度における研究では、財政投融資が公共投資の生産効果を含めて、経済全体にどの様な効果を持ち、それがさらに財政収支にどの様に波及するかを計量的に分析することが主要な目的であった。このような目的から、生産部門を含んだマクロ経済モデルと、一般会計・地方財政・財政投融資といった制度会計ごとのサブブロックを連結させた計量モデルにおいて、財政投融資計画における政策シユミレーションを行った。その結果、住宅金融公庫を通じた住宅向けの投融資の経済効果は需要効果のみであり、長期的な生産力に対する効果が無いために、その影響は一時的である。一方、事業機関向け投融資の経済効果は、それが事業機関の設備投資を誘発し、総需要を増加させるとともに、公共資本ストックを通じた生産力を増大させる。また、地方債購入による地方財政を通じた経済効果についても、事業機関向けの場合と同様の結論を得た。事業機関向け投融資の経済効果は、地方債購入による地方財政を通じた経済効果よりも劣るが、それは、事業機関向け投融資の一部が返済に回るため、事業機関向け投融資の設備投資割合が地方財政のそれよりも低いためである。これは、一方で事業機関の地方財政に対する健全性を示しているともいえる。 財政収支については、公共資本ストックの生産効果を通じて国民所得が上昇することから、税収も増加し、財政収入は増える。しかしながら、地方財政への投融資額増の場合、支出が増加するために、地方政府の財政収支は赤字傾向が強まる結論が得られた。
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