1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04630054
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高木 信二 大阪大学, 経済学部, 助教授 (20226749)
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Keywords | 株式取引 / マーケットメーキング / ザラバ売買法 / 市場の流動性 |
Research Abstract |
欧米の証券市場ではスペシャリストと呼ばれるディーラーを通して株の売買が行なわれるが、日本では才取り会員を通しての競争売買が行なわれる。両者のちがいは、前者が自己保有の在庫によってマーケットメークするのに対し、後者は単に売り手と買い手をマッチングするだけである。本研究は、このいわゆるガラバ方式の市場における流動性に注目し東証,大証,名証,店頭市場での価格形成,取引成立率などを比較研究した。売買高の大きい東証と比べて、他取引市場の売買高は小さい。大証の場合、売買高の大きい銘柄に関しては、東証と同じような価格変動、すなわち負の系列相関をもっている。店頭市場での価格変動は、その反面、正の系列相関がある。ことことは、店頭市場において成り行き注目が許されてないことを示すものといえる。また東証を含めた取引所において売買高の大きい銘柄の価格変動に負の相関関係があることは、スペシャリスト市場とにかよった動きをしていることから、インプリシットなマーケットメーキングが行なわれている可能性を示唆している。
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