1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04640001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三宅 敏恒 北海道大学, 理学部, 教授 (20025430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 芳孝 北海道大学, 理学部, 助教授 (60173720)
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Keywords | 保型形式 / 重さ半整数の保型形式 / ヘッケ作用素 / フーリエ係数 |
Research Abstract |
保型形式はゼータ関数や代数群の表現論を始めとして,整数論と本質的な所で密接に結びついており,保型形式のi∞におけるフーリエ展開の係数は,整数論の研究上欠かせないものである.重さが整数である保型形式のフーリエ展開の係数に関しては,ラマヌジャンの予想(現在は証明されている)の重要さはいうまでもないが,その他にもGL_2の表現との関係,フーリエ係数が,ある代数拡大の相互律を示すという志村五郎氏の結果を始めとして,いろいろな重要な結果が知られている.今回は重さが半整数の保型形式のフーリエ展開の係数を調べた.重さが半整数の保型形式は重さが整数の保型形式と対応する.この対応によって,nが平方数のときは,n番目のフーリエ展開の係数は,対応する重さが整数の保型形式のフーリエ展開の係数から得られる.nが平方数でないときには,n番目の係数は対応する重さが整数の保型形式のL-関数の特殊値と関係があり,重さが整数である保型形式のフーリエ係数にまして重要である.今回得た結果はつぎの通りである.f(x)をレベルN,指標Xの,重さ半整数の保型形式とし,そのn番目のフーリエ係数をa(n)と書き表す.f(x)がNを割らない素数pについては,ヘッケ作用素T(p^2)の固有関数とする.このときNを割るようなすべての素数pに対して,m/nがQ_pの中で平方数ならば,a(m)a(n)X(n)=a(m)a(n)X(m)(a(n)はa(n)の複素共役が成り立つことをある条件の下に示した.これは,重さが整数の場合に成り立つ,よく知られた結果a(n)=a(n)X(n)に平行な半整数の場合の性質といえる.また,条件を確かめることは容易ではないが,実は条件なしで,一般に成り立つことが予想される.実際に,この関係式が成り立つことも,いくつかの例で確かめた.以上の結果は,論文として発表準備中である.
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