1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04640061
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
難波 誠 大阪大学, 教養部, 教授 (60004462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅原 雅顕 大阪大学, 教養部, 講師 (90193945)
作間 誠 大阪大学, 教養部, 助教授 (30178602)
西谷 達雄 大阪大学, 教養部, 教授 (80127117)
長瀬 道弘 大阪大学, 教養部, 教授 (70034733)
竹内 勝 大阪大学, 教養部, 教授 (70028116)
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Keywords | 複素多様体 / 基本群 / 分岐被覆 / モノドロミー群 / パッフ系 |
Research Abstract |
本研究は,複素多様体の基本群と分岐被覆を多方面から具体的に研究する事を目的としたものである。複素多様体Mから超曲面Bをぬいた残りの開集合M-Bの基本群の部分群の共役類と,高々Bで分岐するMの被覆の同型類の間には,ガロア理論的対応関係がある。そのため,M-Bの基本群の計算が重要である。本研究は,ザリスキーのアイデアにもとづいて,M-Bの基本群を計算する,ひとつの方法を確立した。そして,この方法を用いて,多くの具体的で重要な例の計算に成功した。たとえば,複素射影空間内で,判別式の零点集合を考え,これをさまざまな部分空間Mで切ると,興味深い超曲面Bが生ずる。この場合のM-Bの基本群の計算をいくつか実行した。さらに,これらの基本群と,一次系の幾何学との関連をあきらかにした。 一方,基本群と分岐被覆の一般論の整備を実行中,次の二定理が得られた。定理1.Xを有限基本群を持つ複素多様体,GをXの自己同型群の有限部分群とするとき,商空間X/Gの正則点全体の基本群は有限である。定理2.Mを有限基本群をもつコンパクト複素多様体,BをMの超曲面で,M-Bの基本群が可換であるとする。Xを高々Bで分岐するMの被覆とし,Xをその特異点除去とする。このとき,Xの基本群は,有限かつ可換である。とくにXの第一ベッチ数は零である。 一方,有限または無限不連続線形群があたえられたとき,これをモノドロミー群に持つ,一般フックス型線形微分方程式系(パッフ系)の不変式論的一般構成法を確立した。この方法の,いろいろな応用が今後の課題である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Namba: "Pfaffian systems with finite monodromy" Complex Geometry,Lecture Notes in Pure and Applied Math.,Marcel Dekker. 143. 145-156 (1992)
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[Publications] M.Namba: "Finite branched coverings of complex manifolds" Sugaku Expositions,American Math.Society. 5. 193-211 (1992)
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[Publications] T.Nishitani: "Levi conditions for hyperbolic operators with a stratified multiple variety" Proceedings of Japan Academy. 68. 49-52 (1992)
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[Publications] M.Takeuchi: "A remark on Lie contact structures" Science Rep.Col.Gen.Educ.Osaka Univ.41. 29-37 (1992)
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[Publications] K.Kodama, M.Sakuma: "Symmetry groups of prime knots up to 10 crossings" Knot 90,ed.by A.Kawauchi,Walter de Gruyter co.324-340 (1992)
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[Publications] M.Umehara K.Yamada: "Complete surfaces of constant mean curvature one in the hyperbolic 3-space" Annals of Mathematics.