1992 Fiscal Year Annual Research Report
局所的にリプシッツ連続な作用素の半群とその偏微分方程式への応用
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04640137
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小林 良和 新潟大学, 工学部, 教授 (80092691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶木屋 龍治 宮崎大学, 工学部, 助教授 (10183261)
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Keywords | 非線形発展方程式 / 消散作用素 / Osgoodの条件 / マイルド解 / 半線形楕円型方程式 / 漸近挙動 / 球対称解 / 解の零点 |
Research Abstract |
1.(1)従来の発展方程式論においては、それを支配する作用素は、(準)消散作用素であった。この条件は、常微分方程式論において、時間について後向きに解の局所的一意存在を保証する条件として知られている「片側リプシッツ条件」に対応する条件であるが、このことを保証する条件として、(片側)Osgood条件などさらに一般的な条件が知られている。このような一般的な条件に対応するものとして、一般的な消散性の概念を導入し、そのような性質をもつ作用素で支配される非線形発展方程式について、マイルド解の一意性、近似解の収束性について、基本的な結果を得た。さらに、マイルド解の大局的存在を保証する条件を明らかにし、これらの研究成果を発表した。発展方程式を支配する作用素に対するマイルド解の連続的依存性、近似解作用の解作用素への収束などについて、さらに継続して調べている。(2)半線形楕円型方程式の構造の研究は、発展方程式の解の大域的挙動を知るうえで重要である。R^nにおける半線形楕円型方程式について考察し、無限遠で0に収束する球対称解の存在とその漸近挙動について調べた。特に任意の非負整数kに対してちょうどk個の零点をもち、ラプラス作用素の核のように減衰する解と自己相似解になるように減衰する解の両者が存在することを示し発表した。球の内部、円環、球の外部など滑らかな境界をもつ球対称領域についても、同様な結果を得ており、論文を投稿中である。解の零点の個数と解のソボレフ・ノルムの関係についても調べ、解の零点の個数によるノルムの詳しい評価を得ており、論文を準備中である。 2.(1)京都大学数理解析研究所における短期研究集会「発展方程式と非線形問題」の研究代表者を務めまた研究打ち合せをした。(2)国際シンポジウム「産業界における非線形数学問題」、研究集会「発展方程式研究会」などで研究発表をし、また研究打ち合せをした。
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[Publications] Y,Kobayashi: "Euolution Governed by “Generatized" Dissipative Operators" Proc.of Japan Acad.68. 223-226 (1992)
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[Publications] R,Kajikiya: "Existence and asymptotic behovior of nodal sotulions for semilinear ellibtic equations" J.Differential Equations.