1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04640267
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾崎 洋二 東京大学, 理学部, 教授 (30011547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴橋 博資 東京大学, 理学部, 助手 (30126081)
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Keywords | 降着円盤 / 激変星 / 流体シミュレーション / 固有振動モード |
Research Abstract |
矮新星は数10日に一回の割合で約5等級程度の爆発を繰り返している激変星である。矮新星の爆発の原因であるが,当研究代表者が1974年に提案した「降着円盤の不安定性モデル」が現在広く受け入れられいる。さらに矮新星には爆発の光度曲線の形により双子座U星型,キリン座Z星型,大熊座SU星型の3種類がある。これら3種類の矮新星を統一的に理解することが本研究の目的である。 一方,理論の方では降着円盤の不安定性として,円盤外縁部での水素の電離に伴う「熱不安定性」と降着円盤が離心楕円円盤に変形する「潮汐不安定性」の二つが知られている。本年度は特に矮新星大熊座SU星型について以下のような3つの問題について研究した。 (1)矮新星大熊座SU星のスーパーアウトバーストのモデル 降着円盤の2種類の不安定性すなわち「熱不安定性」と「潮汐不安定性」を組み合わせる事により,大熊座SU星のスーパーアウトバースト現象を説明するモデルを提案した。このモデルに基づき大熊座SU星のスーパーアウトバーストの光度曲線をシミュレートすることに成功した。 (2)激変星における降着円盤の二次元数値シミュレーション 矮新星における降着円盤の「潮汐不安定性」について,流体力学数値シミュレーションを行なった。降着円盤の「潮汐不安定性」というのは,降着円盤の形が楕円形に変形し,ゆっくり才差運動をする現象である。これまで粘着粒子法という流体力学のシミュレーションの方法を使ってきたが,今回はより精度の高いSPH法という2次元流体シミュレーション方法で降着円盤の「潮汐不安定性」について調べた。 (3)矮新星における降着円盤の固有振動モードの研究 上記「潮汐不安定性」により離心楕円形に変形する現象を,降着円盤のm=1の固有振動モードとして,その性質を研究した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Mineshige: "Black Hole Accretion Disks Exhibiting Superhumps." Publ.Astron.Soc.Japan Letters. 44. L15-L18 (1992)
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[Publications] K.Yoshida: "Ginga Observation of SS Cygni." Publ.Astron.Soc.Japan. 44. 537-542 (1992)
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[Publications] T.L.Duvall Jr.: "Asymmetries of Solar Oscillation Line Profiles." Astrophys.J.(1993)
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[Publications] Y.Osaki: "Tidal Effects on Accretion Disks in Close Binary Systems." Stellar Accretion Disks,ed.J.C.Wheeler. (1993)
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[Publications] S.Ichikawa: "Superousburst and Superhump Phenomena in SU Ursa Majoris Stars:Enhanced Mass Transfer Episode or Pure Disk Phenomena?" Publ.Astron.Soc.Japan. 45. (1993)
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[Publications] M.Hirose: "Superhump Periods in SU Ursa Majoris Stars:Eigenfresuency of the Eccentric Mode of an Accretion Disk." Publ.Astron.Soc.Japan. 45. (1993)