1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04640275
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
柴崎 徳明 立教大学, 理学部, 助教授 (50206124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 晋平 山形大学, 理学部, 助手 (90187401)
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Keywords | 中性子星 / 超流体渦係 / クリープ運動 / 熱的進化 / グリッチ |
Research Abstract |
平成4年7月に設備備品としてSPARC station IPX用メモリーを64MB増設した。これにより、当初の目的通り、計算のスピードが上がり、数値計算の実行に大きな偉力を発揮している。 超流体渦糸のクリープ運動に伴なう熱の発生が中性子星の熱的進化にいかに影響するかを徹底的に調べた。今回は以前の研究を更に発展させ、中性子星の詳細な内部構造や温度分布をも考慮に入れて、数値計算を行なった。その結果、中性子星の内部はその誕生から2万年以内に等温になることがわかった。クリープ運動に伴なう発生熱は年齢が100万年以上の古い中性子の冷却をたいへんにおそめることも明らかになった。また理論と観測との比較も行ない、VelaパルサーやPSR0656+14においては、中性子星の中心部に凝縮中間子が存在する可能性が高いという結論に到った。 グリッチに伴なって発生する熱がグリッチ後のパルス周期の緩和時間にいかに影響するかを調べた。グリッチのモデルとしては最近、最も有望視されている超流体渦糸のピン外れモデルを採用した。まだ初期的であるが、次のような結果が得られた。硬い状態方程式の中性子星では、発生熱の影響はほとんど無視できる。しかし、凝縮中間子が存在するような中性子星では、グリッチの際の温度上昇により超流体とクラストとの相互作用の時間が相当に変化する。グリッチ後パルス周期がいかに緩和するかを知るために、今後温度と回転の方程式をカップルさせて解く必要がある。 超流体渦糸の作用あるいは遠心力の減少でクラストの固体層にひずみがたまる。ひずみがある臨界値に達するとクラストはこわれ、星震が発生する。このとき解放される弾性エネルギーをガンマ線バーストとの関連で調べた。ガンマ線バースト源が我々の銀河内の天体だとしても、弾性エネルギーをバーストのエネルギー源として考えることにはかなりの困難があることがわかった。
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[Publications] N.Shibazaki and F.K.Lamb: "Neutron Star Evolution with Internal Friction" Proeedings of the US‐Japan Joint Seminar on the Structure and Evolution of Neutron Stars,eds.D.Pines,R.Tamagaki,and S.Tsuruta (California,Addison‐Wesley). 394-405 (1992)
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[Publications] N.Shibazaki: "Model for QPO Behavior" Procceedings of the Yamada Conference on Frontiers ofX‐Ray Astronomy,eds.Y.Tanaka and K.Koyama (Tokyo,Universal Academy Press). 157-161 (1992)
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[Publications] T.Nakamura,N.Shibazaki,Y.Murakami and A.Yoshida: "Some Comments on the Origin of Gamma Ray Bursts" Prog.Theor.Phys.87. 879-890 (1992)
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[Publications] H.Umeda,N.Shibazaki,K.Nomoto and S.Tsuruta: "Thermal Evolutio of Neutron Stars with Intenal Frictional Heating" Astrophys.J.(1993)