1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04640278
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Research Institution | National Astronomical Observatory |
Principal Investigator |
岡本 功 国立天文台, 理論天文学研究系, 教授 (90088782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鏑木 修 東北大学, 理学部, 助教授 (20089783)
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Keywords | ブラックホール / 電気力学 / 磁気圏 / 熱力学 |
Research Abstract |
鏑木は工藤哲洋とともに,強い磁場を持った高速回転星から吹く電磁流体風について有限の電気抵抗の効果を考慮した理論を完成させた.系は,中心星とその赤道面上の薄いプラズマ・ディスクから成る.風解は仮定したポリトロープ指数により,3種類に分けられる.最も特徴的な点は,エネルギー・角運動量輸送が流線に沿ってではなく,磁力線に沿って起り,更に外向きの温度の増加も見られることである.これは通常の完全電磁流体星風理論と著しく異なる点である.岡本はL.Mestel(サセックス大),堀内真司と,"非縮退"電場を伴うブラックホール磁気圏理論についての最初の論文を完成させ,投稿した. また,岡本はJ.Katz(平成6年度文部省外国人研究員),R.Parentani(ヘブライ大学)とともに,有限の大きさの容器Vの中に入っている黒体輻射について,ブラックホールが存在する場合としない場合に,熱力学系としての安定性,温度の平均自乗ゆらぎ,準静的に系エネルギー変えたときの進化などを研究した.系のエネルギーに,容器の大きさに依存した3コの値E_C,E_B,E_Aであって,E_C<E<E_Bでは輻射・ホール共存系は準安定(輻射のみの状態が安定),E_B<E<E_Aでは自己重力輻射は準安定(共存系が安定)である.熱力学的ゆらぎによる準安定から安定な状態へジャンプする確率は非常に小さく,殆どE_CあるいはE_Aのごとく近傍でないと起こらないことが分かった.更に,輻射・ブラックホール共存系に角運動量Jを加えたときのE_C(J)の振る舞いも議論した.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kaburaki O.: "Should entropy be concave?" Physics Letter A. 185. 27-28 (1994)
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[Publications] Kudoh,T.,Kaburaki,O.: "Resistive-MHD winds from rapidly rotating stars" Geophysical and Astrophysical Fluid Dynamics. 印刷中. (1995)
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[Publications] Okamoto,I.,Katz,J.,Parentani,R.20GB03:A comment on fluctnations and stability limits with application to "super-heated"black holes: Classical and Quantum Gravity. 12. 443-448 (1995)
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[Publications] Parentani,R.,Katz,J.,Okamoto,I.: "Thermodynamics of a black hole in a cavity" Classical and Quantum Granty. (印刷中). (1995)
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[Publications] Okamoto,I.: "A thermodynamic theory of two-component systems" Publications of Astronomical Society of Japan. (印刷中). (1995)