1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04640286
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川合 光 東京大学, 理学部, 助教授 (80211176)
|
Keywords | 量子重力 / くりこみ群 / Eー展開 / 時空のフラクタル構造 / superstringの非摂動効果 / R^2ラグランジアン / 場の理論 / 重力場の構成的定義 |
Research Abstract |
場の理論においてもっとも新しい手法を必要としている分野の一つが量子重力であるが、当研究代表者は量子重力について種々の分析を行い、いくつかの新しい取り扱い方を開発した。まず手はじめに、2+ε次元の量子重力に対するくりこみ群的方法、すなわち2次元のまわりでのEー展開を開発し、量子重力の相についての分析を可能にした。これによって、量子化された時空というものがどのような構造をもち、計量に対する量子的なゆらぎがどの程度のものであるかを議論することができるようになった。さらに具体的に時空のフラクタル構造を調べるための道具として、測地距離をあたかも時間変数のようにとりあつかって、トランスファーマトリックスが導入できることを示した。これはいままでにWheelerとDe Witt により考えられていた量子重力のとりあつかいを一歩すすめたものであり、種々の新しい量が計算できるようになった。特に、superstringの非摂動効果の議論に役に立つと思われる。これらの他にも、量子重力およびsuperstringに対する系統的な分析を行ったが、そのうちで比較的応用が拡がる可能性のあるものとして、2次元のR^2ラグランジアンがある。この系を分析するために、従来のLiouville場の定式化を少し拡張したところ、R^2ラグランジアンの近距離での振舞に対する厳密な答が得られた。この他にも、重力場の構成的定義についての考察をすすめ、場の理論としての量子重力を理解する上で必要な手法を開発した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] H.Kawai,Y.Kitazawa,M.Ninomiya,: "Scaling exponents in quantum grarity near two dimensions" Nuclear Physics B.
-
[Publications] T.Nakazawa,H.Kawai Y.Okamoto,M.Fugnsita: "B-sheet folding of fragment(16-36) of bovine panereatic trypsin inhibitor as predicted by Monte Carlo simulatea annealing" Protein Engineering. 5. 495-503 (1992)
-
[Publications] H.Kawai: "Quantum Grarity and Random Surfaces" Nuclear Physics B. 26. 93-110 (1992)