1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04640301
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
牟田 泰三 広島大学, 理学部, 教授 (80025353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
両角 卓也 広島大学, 理学部, 助手 (20253049)
大野 木哲也 広島大学, 理学部, 助手 (70211802)
小平 治郎 広島大学, 理学部, 助教授 (40127080)
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Keywords | 電弱理論 / ヒッグス場 / 対称性 / CPの破れ / 複合模型 / 自発的対称性の破れ / 温度・密度 / 相転移 |
Research Abstract |
研究開始当初、研究計画を次のようなステップに分けた:(1)ヒッグス粒子の種々の複合模型を比較検討する。(2)複合ヒッグス模型の低エネルギー現象に対する間接的効果を組織的に調べ、模型の妥当性を実験との比較によって検討する。(3)複合ヒッグス模型によってもたらされる希過性を調べる。特に、CPの破れの動的起源を与えることができるかどうかを、集中的に検討する。(4)複合ヒッグス模型によって新たに起こり得る高エネルギー現象を検討し、将来の高エネルギー実験による検証の可能性について考察する。(5)複合ヒッグス模型の宇宙論的な効果を調べる。 平成5年度までに上記(1)、(2)、(3)、(4)の課題を検討して一定の成果を得たので、最終年度である今年度は(5)の課題を重点的に研究した。 ヒッグス粒子が複合系であるために、宇宙初期のインフレーションシナリオが影響を受け、標準理論によるシナリオと異なってくる可能性がある。この新しい可能性を、理論的な分析によってできる限り引き出し、次世代の観測に備えたいと考え、宇宙初期の高温、高密度、強重力の状態での複合場の量子論の相構造を調べた。複合場の理論の例として、4体フェルミ相互作用の模型を考え、1/N展開の方法を用いて、温度、密度、空間曲率の変動にともなう理論の相変化を調べた。温度と密度の変化に伴って1次及び2次の相転移が存在すること、それが空間の次元との相関を持つことを見いだした。一方、曲がった時空としてドジッター空間を考え、時空の曲率を変えたときに2次の相転移が存在することを見いだし、臨界曲率を計算することに成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Muta: "Nambu-Jona=Lasinio Model in Curved Space-Time" Modern Physis Letters. A8. 2123-2117 (1993)
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[Publications] T.Muta: "Phase Structure of Four-Fermion Theories at Finite Temperature and Chemical Potential in Arbitrary Dimensions" Intern.J.Mod.Phys.A10. (1994)
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[Publications] J.Kodaira: "More on the Burkhardt-Cottingham sum rule in QCD" Physics Letters. 345. (1995)
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[Publications] J.Kodaira: "Perturbative QCD and nucleon structure functions" Progress of Theoretical Physics Supplement. (1995)
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[Publications] T.Yoshikawa: "Effective Lagrangian for a technicolor model without exact custodial symmetry" Progress of Theoretical Physics. 92. 353-376 (1994)
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[Publications] L.T.Handoko: "b→s(d)γ with a vector-like quark as forth generation" Modern Physics Letters. (1995)