1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04640306
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中原 弘道 東京都立大学, 理学部, 教授 (00027137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末木 啓介 東京都立大学, 理学部, 助手 (90187609)
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Keywords | 核分裂 / ^<16,18>O+^<209>Bi / 飛行時間測定 / 質量分布 / 運動エネルギー分布 / 電荷分布 / 対称分裂 / 非対称分裂 |
Research Abstract |
本研究では1組の分裂片の速度を同時計測するため、チャンネルプレートを使用した核分裂片の飛行時間測定装置を1組と広立体角を有するアバランシェカウンターを使用した飛行時間測定装置を作製した。これによって重イオン核反応に特有な角度の広がりなどをカバーして測定することを可能にした。実験は日本原子力研究所のタンデム加速器にて行なった。85〜98MeVの^<16>0及び^<18>0を^<209>Biターゲットに照射して(複合核の励起エネルギーは30〜40MeV)質量分布及び運動エネルギー分布を得た。また、この方法と平行して放射化学的方法によって原子番号Z=51、53、55についての同位体分布を調べた。これら2種類の実験から分裂核の中性子数依存性について検討を行なった。今までに得られた結果は、飛行時間法によって、質量分布および運動エネルギー分布を求め、^<16>0と^<18>0によって比較した場合に、全体像においては大きく異なる点ななく、おなじ分裂機構にもとづいていると考えられた。しかし、質量数が130前後において質量収率及び運動エネルギにわずかな差が生じていることが見いだされた。放射化学的方法によって求めた、Z=51、53、55の同位体分布からは、電荷収率について85〜105MeVのエネルギー領域で依存性を調べた。原子番号51〜55は質量数にして120〜140にあたり先のデータの注目すべき点と一致している。^<16>0+^<209>Biにおいてはその励起関数及び電荷収率変化はなだらかな変化になっていた。ただし、Z=55において励起関数が低エネルギー側で他の2元素より収率のさがり方が少なかった。^<18>0+^<209>Biでは、これが実験したエネルギー領域全体でZ=53とZ=55がほぼ等しい収率を持っている傾向が見いだされた。これらの事実は、^<233>Paにおいて過去に示した。対称分裂と非対称分裂の2つの様式のうち、これら^<225>Pa、^<227>Paにおいては対称分裂が優勢であるが、^<227>Paにおいて非対称分裂の存在が示唆される結果が得られた。
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