1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04640309
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Research Institution | Ishinomaki Senshuu University |
Principal Investigator |
吉田 思郎 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (60091766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 良雄 山形大学, 教養部, 教授 (10113961)
阿部 正典 石巻専修大学, 理工学部, 講師 (50221049)
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Keywords | 前平衡過程 / 光学ポテンシャルの虚部 / 核反応の統計理論 / 動的殻模型 / 半古典近似 |
Research Abstract |
前年度に温度が与えられた時の吸収ポテンシャルから前平衡反応に用いる吸収ポテンシャルを導いたが、核子核子相互作用としてデルタ相互作用を用いた場合、数値計算の結果とフェルミ-流体近似の結果を比較した。前平衡過程のように吸収は束縛状態の配位に制限すると粒子のエネルギーが少し高くなるとフェルミ流体近似は悪くなる。しかし配位に制限のない時には両者はかなりよく一致する事が分かった。この方法による吸収ポテンシャルの計算にはパウリの排他律が取り入れてあるので、これまでより正確な結果が得られる。さらにフェルミ流体近似がよい場合には、それにより計算の簡単化ができる。 ここで得られた吸収ポテンシャルの応用としては前平衡過程の断面積や、核子核子相互作用をランダム行列とした時の状態密度の計算が考えられる。吸収ポテンシャルから透過係数を求め、それから逃げ幅を求めれば、エクストン状態の生成、崩壊の確率が計算できる。内部変換、即ちエクストン状態間の転移確率は相互作用ポテンシャルの2次モメントにより決まる。2次モメントは拡散幅より、さらに吸収ポテンシャルから計算されるが、これは1核子の固有状態のみに限られるので、平均が必要な2次モメントの計算は困難である。そこで半古典近似を用いると、拡散幅はスピンパリテ-を指定した1核子状態につきエネルギーの連続関数として求められる。これにより2次モメントの計算が容易になる。またこの拡散幅は(p,2p)や(d,p)反応等から得られた拡散幅と比較もできる。また拡散幅のスピンパリテ-やエネルギー依存性がわかるのでそれ自身も興味深い。 瞬間近似の問題については殻模型で1p-1h状態から出発して時間に依存するシュレデインガー方程式を解き時間発展を追うプログラムを作製したが、まだ報告するほどの成果は出ていない。
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[Publications] K.Sato and S.Yoshida: "Spreading widths of nucleons in the semiclassical approximation" Phyoics Letters B. 341. 257-260 (1995)
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[Publications] N.Takigawa,K.Hagino,M.Abe and A.B.Blantekin: "Role of mass renormalization in adiabatic quantum tunneling" Physical Review C. 49. 2630-2636 (1994)
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[Publications] N.Takigawa,K.Hagino and M.Abe: "Dynamical morm method for nonacliabatic macroscopic quantum tunneling" Physical Review C. 51. 187-197 (1995)
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[Publications] M.Manninen,J.Mansikka-Aho,H.Nishioka and Y.Takahashi: "Odd-even staggering in simple model of metal cluster" Zeitschrift for Physik D. 31. 259-267 (1994)