1993 Fiscal Year Annual Research Report
軽核におけるニュートリノ反応などを用いた核内弱核子流の構造の研究
Project/Area Number |
04640310
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
森田 正人 城西国際大学, 経営情報学部, 教授 (70028091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 玲子 城西大学, 女子短期大学部, 教授 (90258913)
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Keywords | ニュートリノ反応 / ベータ崩壊 / ミュー粒子捕獲 / 誘導ギスカラー / 誘導テンソル / アクシアル・チャージ / 弱核子流 / 弱相互作用 |
Research Abstract |
1.ニュートリノ反応などを用いた核内弱核子流の構造の研究を特にA=12の核において行い、下記のように顕著な結果を得た。 2.1992-3年度阪大理において行われた、アラインした^<12>B,^<12>Nより放出された電子および陽電子の角度分布を、代表者の理論に基き分析し、誘導テンソル結合定数に対して、新しい厳密な値が求められた。即ちf_T/f_A=(0.21±0.14)/2Mとなる。 3.同様にして、アクシアル・チャージ y=5.10±0.16が得られ、従来の値をさらに更新した。 4.yの値は、^<12>Cのミュー粒子捕獲反応における娘核の偏極値より導く誘導ギスカラー項の結合定数を決定するための重要な要素である。代表者の理論形式を用い、g_P/g_A=7.3±1.3となり、PCAC仮説を決定するもっとも有力な証明である。また核内弱核子流の再規格化の原因が、核子多体効果ならびに交換流効果によるものとして、完全に理解できることを証明した数少ない例として高く評価されている。 5.以上の結果は、1993,6月ベルギー・ルーバンの対称制検証会議、同7月イタリア・ペルジアの素粒子と原子核、1994,3月大阪のスピン・アイソスピン応答と弱相互作用過程の3国際会議で招待講演として発表された。また1993,9月の日本物理学会において講演した。 6.以上の結果は4個の論文として発表した。 7.yの値に関連した核構造模型の精密化が進められている。またミュー粒子捕獲の多様な核種についての系統的研究や、ベータ崩壊の諸現象についての標準模型以上の相互作用に基く公式作成の依頼が欧米の研究者より要請されている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Watanabe,T.Oda,T.Niwa,H.Ohtsubo,R.Morita and M.Morita: "Asymmotry and Energy Spectrum of Electrons in Bound Muon Decay" Atomic Data and Nuclear Data Tables. 54. 165-178 (1993)
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[Publications] 森田正人: "対称性について" KEK Proceedings. 92-18. 68-76 (1993)
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[Publications] M.Morita,R.Morita,M.doi,T.Sato,H.Ohtsubo,and K.Koshigiri: "Induced Pseudoscalar Interaction in Weak Nucleon Current and Muon Capture in Hyporfine States of Muonic Deuterium" Hyperfine Interactions. 78. 85-89 (1993)
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[Publications] M.Morita,R.Morita and K.Koshigiri: "Induced Pseudoscalar Terms in Weak Nucleon Current" Proceedings of the 13tf International Conference on Particles and Nuclei,Perugia,World Scientific. in press. 1-3 (1994)
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[Publications] 森田正人,矢崎絋一,今井憲一: "第13回素粒子と原子核国際会議" 日本物理学会誌. 49. 127-128 (1994)
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[Publications] M.Morita,R.Morita and K.Koshigiri: "Induced Terms of Weak Nucleon Currents in Light Nuclei" Nuclear Physicscientific. (in press). 1-6 (1994)