1992 Fiscal Year Annual Research Report
Tev領域・電子陽電子線型加速器の衝突点における諸問題の研究
Project/Area Number |
04640313
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Research Institution | National Laboratory for High Energy Physics |
Principal Investigator |
横谷 馨 高エネルギー物理学研究所, 加速器部, 教授 (40141973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波戸 芳仁 高エネルギー物理学研究所, 放射線安全管理, 助手 (20228084)
山本 昇 高エネルギー物理学研究所, 加速器部, 助手 (30191430)
生出 勝宣 高エネルギー物理学研究所, 加速器部, 助教授 (50150008)
宮本 彰也 高エネルギー物理学研究所, 物理部, 助手 (50174206)
田内 利明 高エネルギー物理学研究所, 物理部, 助教授 (20154726)
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Keywords | 電子陽電子線型加速器 / 衝突点 / バックグランド / リニアコライダー / ビームテール / 非線形コリメーション / ミューオンアテネーション / JLC |
Research Abstract |
衝突点でのバックグランドを軽減するため、リニアコライダーの最適化が行われた。主なものは、ビーム自身の作る電磁場の強さに上限を設定するもので、ビームの強度、偏平度、そして、サイズの最適値がビームのエネルギーの関数として求められた。ビームテールの発生機構としては次のものがある。先ず、リニアックの加速管壁から放出される電子による暗電流の一部がテールと成る。この暗電流の強さは加速場の強さ、周波数や加速管の製作精度などから決まるが、そのエネルギーがビームと大きく違うため、その大部分は加速の途中で失われるものと考えられている。ビームテールへの影響については、主リニアック中に設置されるコリメーターの最適化を含めた定量的な研究が必要で、現在その研究は進行中である。二番目のものは、主リニアックへの入射条件、4極電磁石の設置などの誤差や、ビームとリニアック光学系の不一致などが引き起こすビームエミッタンスの増大や発生するウエーク場によるものである。この増大・発生を防ぐためにいろいろのフィードバック法が提案されたが、原因となるものの許容範囲が定量的に求められた。これら主リニアックで発生したビームテールは、最終収束系との間に設置される新しく提案された非線形コリメーションの方法により、有効に取り除くことができることがわかったが、さらに定量的検討が必要である。このコリメーションで発生するミューオンは、相互に逆方向に磁化された二重の鉄パイプを使った『ミューオンアテネーション法』で原理的に吸収できることが示されたが、さらに具体的なシミュレーションによる証明が必要である。衝突点で発生するバックグランドの実験に対する影響も詳細に調べられた。これらの成果は、平成4年11月25日〜27日に開かれたJLC-FFIRワークショップで報告された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Tauchi et.al.: "Pair Creation from beam-beam interaction in Linear colliders" Particle Accelerators. 41. 29-39 (1993)
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[Publications] K.Yokoya et.al.: "Non-Gaussian distribution of electron beams due to incoherent stochastic processes" Particle Accelerators. 39. 147-158 (1992)