1992 Fiscal Year Annual Research Report
重い電子系超伝導体UPd_2Al_3における磁性と超伝導の相関の研究
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04640320
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 憲昭 東北大学, 理学部, 助手 (30170773)
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Keywords | 重い電子系 / 超伝導 / アクチナイド化合物 |
Research Abstract |
重い電子系超伝導体UPd_2Al_3の超伝導状態に関し、以下の事が明らかとなった。 1)クーパー対はスピンー重項である。 2)異方的エネルギーギャップが存在する。 これらは、上記物質の単結晶を用いた。比熱、上部臨界磁場等の実験によっている。 さらに、他の多くのグループとの共同研究により、次の事も判明した。 1)NMRの実験も、上記1)2)と矛盾しない。 2)中性子散乱の実験より、磁気構造が同定され、磁気モーメントは、a軸方向を向いている。また、磁性と超伝導の相関は弱いが、存在する。 3)高磁場磁化の測定より、磁場がC面内にある時、磁化の大きなトビがある。 以上の実験事実は、今までに発見されている他の3種の重い電子系超伝導体(ウラン化合物)と質的に異なるもので、ユニークである。これらの実験事実を基にして、超伝導の発現機構(磁性との相関)が明らかにされることと期待される。
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[Publications] N.Sato et al.: "Superconductivity and magnetism in a single crystal of UPd_2Al_3" Physica B.
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[Publications] T.Sakon et al.: "Physical properties of UPd_2Al_3 at low temperature" Physica B.
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[Publications] M.Kyogaku et al.: "^<27>Al NMR study in the new heavy fermion superconductors UM_2Al_3 (M=Ni,Pd)" Physica B.