1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04640381
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和達 三樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (60015831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永尾 太郎 大阪大学, 理学部, 助手 (10263196)
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Keywords | ランダム行列 / 準位統計 / 対数型相互作用 / 古典直交多項式 / ユニバーサリティ / ジャストロウ波動関数 / メソスコピック系 / カロジェロ系 |
Research Abstract |
1.ランダム行列のアンサンブルの中で、とくに指数型の分布函数に対応するものは、メゾスコピック系の電気伝導度を決める転送行列のモデルとして適当であることがしめされた。 2.古典直交多項式に対応するアンサンブルを解析し、とりわけ指数型の分布函数をもつ実対称および自己双対4元数行列のアンサンブルについて準位分布の普遍性を証明した。 3.円アンサンブルの場合、準位相関の表式が単位円周上の直交多項式、もしくは歪直交多項式を用いてかけることを示した。 4.分布端における固有値のふるまいは、メゾスコピック系の電気伝導度や2次元量子重力、また量子色力学におけるディラック演算子などといったさまざまな分野との関連が注目されている。この領域では、円アンサンブルによって扱われる範囲を越えた、より内容の豊かな普遍性の法則が成立しているようにみえる。事実、ラゲ-ル多項式とヤコビ多項式に対応するアンサンブルの固有値の分布端での振る舞いを解析した結果、普遍性の破れがあることを示した。この破れかたには単一のパラメータのみによって記述される規則があり、弱い普遍性があるとみなせる。 5.摂動が加わったときのハミルトニアン行列の運動は、可積分な古典系の運動とみなされるが、局所成分の運動に対する統計的な記述を議論した。 6.古典カロジェロ系とマトリックス模型との関連を考察した。マトリックス模型の相互作用係数とカロジェロ系の高次の保存量にともなう時間との関連性を示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Nagao: "Asymptotic correlations at the spectrum edge of random matrices" Nucl.Phys.B435. 401-420 (1995)
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[Publications] T.Nagao: "Impurity scattering in mesoscopic quantum wires and the Laguerre ensemble" Phys.Rev.B50. 2380-2392 (1994)
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[Publications] T.Nagao: "Level dynamics and the conserved quantities" Prog.Theor.Phys.Suppl.116. 347-350 (1994)