1992 Fiscal Year Annual Research Report
キセノンを添加した液体アルゴンの発光波長とその光電離検出器への応用
Project/Area Number |
04640392
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Research Institution | Saitama Prefectural University. Junior College |
Principal Investigator |
増田 公明 埼玉県立衛生短期大学, 一般教養, 助教授 (40173744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴村 英道 埼玉県立衛生短期大学, 一般教養, 助教授 (30100605)
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Keywords | 希ガス液体 / シンチレーション / 光電離 / 放射線検出器 |
Research Abstract |
希ガス液体中の添加分子の光電離を利用した放射線検出器は、低電場における分解能を改善するとともに異なる種類の放射線に対して一様な応答特性をもつ。その性能をさらに向上させ、また液体中の光電離の特性を解明するために、液体アルゴンにキセノンを添加して液体アルゴンの発光波長を変換し、光電離の特性がどのように変わるかを調べる。そのために本年度は希ガス混合液体の波長測定セルの設計・製作及び周辺システムの整備を行い、テスト実験を行った。液体アルゴン(-190℃)用の測定セルは液体原子励起用のアルファ線源、電離・励起により生ずるシンチレーション光を検出するためのライトガイド、分光器にシンチレーション光を導くための集光用凹面反射鏡と真空紫外光用のフッ化マグネシウム窓を有する。ライトガイドは、アルファ線源近傍で生ずるシンチレーション光を直接液体内で受けてこれを液体から外部へ導くために必要である。この光は光電子増倍管で検出され、波長測定のためのゲート信号を与える。そのために低温の液体内での使用に耐えるフレキシブルなガラスファイバーを用いたライトガイドを開発した。集光用の凹面反射鏡は、液体アルゴン、フッ化マグネシウム窓、真空の屈折率の違いを考慮して最適の曲率をもつように設計した。また反射面は真空紫外の波長領域に対して最も反射率の大きいAlコーティングとした。またゲートバルブ及び現有のバルブと真空ポンプを組み合わせて、希ガス液体用及び真空断熱用の真空システムを構築した。計測回路システムは、光を検出する光電子増倍管とそれに続く回路系を整備し、さらにコンピュータにI/O拡張ユニットを接続してデータ収集を可能にした。現有装置を用いたガス純化装置、ガス混合器などのテスト実験を現有の小型電離箱を用いて行い、その動作を確認した。これから次年度にかけて本格的な波長測定を行う予定である。
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