1993 Fiscal Year Annual Research Report
電波星シンチレーション多周波同時観測による太陽風加速機構の研究
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04640424
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小島 正宜 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (70023687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 弘隆 郵政省, 通信総合研究所, 室長
三澤 浩昭 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (90219618)
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Keywords | 惑星間空間プラズマ / スペクトル / 太陽風 / 加速機構 / 太陽近傍 / 異方性 / 緯度依存性 / コロナルホール |
Research Abstract |
1.70〜185太陽半径の距離で観測された惑星間空間プラズマ密度揺らぎのスペクトルのデータ解析を行い、以下のような成果を得た。低速太陽風は、高速太陽風に比べスペクトルの傾きがよりフラットで、この形は太陽活動で変化しない。しかし、高速太陽風においては、太陽活動が活発なときのスペクトルの傾きに比べ、静穏期においては、スペクトルの傾きが急に成る傾向があり、これは高速風においては大きなスケールの揺らぎが消滅する傾向にある事を意味し、加速機構との関係で興味有る結果が得られた。 2.1992年と1993年に郵政省の鹿島支所のアンテナを用い観測した10-60太陽半径距離でのデータを解析し以下の結果を得た。黄道面内の太陽風には、10-30太陽半径の距離で加速が見られたが、高緯度太陽風では、太陽風速度の距離による変化がはっきりとは見られなかった。プラズマ揺らぎの空間構造の異方性には、緯度依存性があり、高緯度で等方的となる傾向がある。これは、高緯度高速風中のAlfven波と関係している可能性がある。プラズマの不安定性を表す一つの指標であるinner scaleは、距離と共に大きくなっていく傾向にあるが、その様子は、低緯度ではpower law的であり、これまでの結果と良く一致している。 3.太陽地球環境研究所で1985-1992年に観測された太陽風速度データの解析を行い、太陽から0.1-0.3AUの距離で大きな加速を受けている太陽風の多くは、コロナルホールもしくはその境界辺りから吹き出してきていることを見つけた。 4.1993年6-8月に北欧のEISCATレーダアンテナを用いた933MHzでの太陽風観測計画に参加し、現在データ解析が進行中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kojima,M.: "Solar wind observed within 0.3AU with interplanetary scintillation" Proc.of the 3rd COSPAR Colloquium. 201-204 (1992)
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[Publications] Misawa,H.: "The acceleration region of the solar wind observed with interplanetary scintillation method" Proc.of the Third STEP Symposium. 89-96 (1992)
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[Publications] Watanabe,T.: "Coronal/interplanetary disturbances associated with disappearing solar filament" Publ.Astron.Soc.Japan. 44. L199-L204 (1992)
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[Publications] Manoharan,P.K.: "Real time prediction and observation of interplanetary events" Proc.Kofu Symposium. (in press). (1993)
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[Publications] Kozuka,Y.: "Rotation rates of soft X-ray coronal structures" Proc.Kofu Symposium. (in press). (1993)
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[Publications] Kojima,M.: "Low-speed solar winds observed at distances of 20-60Rs and coronal structure of their source regions" Proc.Kofu Symposium. (in press). (1993)