1992 Fiscal Year Annual Research Report
界面分子集合体の時間分解第二高調波発生プロフィルに現れるダイナミクスの理論的研究
Project/Area Number |
04640428
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤村 勇一 東北大学, 理学部, 助教授 (90004473)
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Keywords | 界面分子集合体 / 第二高調波発生(SHG) / 分子間位相緩和 |
Research Abstract |
本研究の目的は,光第二高調波の発生(SHG)がレーザ照射スポット内に存在する分子集合体のコヒーレント励起に由来する事に着目し,界面分子集合体に含まれているダイナミクスを直接時間分解SHG法により解明する方法論を開発することであった。特に、微視的観点から界面分子間相互作用が時間分解SHGプロフイルにどの様に反映されるかを明らかにする。Liouville 空間のFeynmanダイヤグラム法による密度行列を摂動論を用いて解く,パンプ-プロープ時間分解SHGプロフイルに対する表式を得る。同一の分子がある界面上に等間隔に配列され、Nケの分子がパンプレーザーによりコヒーレント励起されるとする。界面上の分子間位相緩和定数は通常の分子内位相緩和定数と,サイト依存の純分子間千渉項で表わされる。分子間千渉項の構造が断熱近以のもとで明らかにされた。分子間振電位相緩和がSHGの時間プロフイルに反映されるを見るために,モデル計算を行った。界面上の分子対が相関している距離をパラメーターとして、SHGプロフイルを評価すると非指数関数的減裏がえられた。その減衰成分のち速い方は,界面上で相関していない離れた分子からの位相(分子内)緩和によるものである。他方,遅い減衰成分は相関領域の分子対からの発光によるものであることがはじめて明らかにされた。光の位相のミスマッチパラメーターが大きくなると,非指数関数減衰の寄与が顕著になる。これを利用して界面上で起っている分子間振電位相緩和機構をミクロスピックな観点から解明することが可能である。本研究では,二次元界面を考えたが、分子が三次元的に配列している場合についても時間分解SHGプロフイルの定式化を行い,散乱方向がどの様に変化するか明らかにした。
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[Publications] T.Kato,M.Hayashi,Y.Fujimura: "Effects of intermolecular vibrouic dephasings on time-resolved sum-frequency generation from molecules at an interface" Chemical physics letters. 194. 380-385 (1992)