1992 Fiscal Year Annual Research Report
熱および光分解法による不安定分子の生成と反応機構の研究
Project/Area Number |
04640477
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
濱田 嘉昭 放送大学, 教養学部, 助教授 (90107392)
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Keywords | 熱分解 / イミン / 星間分子 / HCN=量体 / フーリェ変換赤外分光 / シアノエチン系列 |
Research Abstract |
様々なアミン類分子を熱分解することにより、C=N基を持つイミン,C=C-NH_2基を持つエナミン、あるいはC≡N基を持つニトリル類化合物を生成し、その赤外吸収スペクトルを測定した。これらの分子は有機合成化学に登場する活性な中間体であり、また量間分子として検出されているシアノエチンの系列に属する分子種でもある。主としてClHmNn(l=1〜3,m=3〜9,n=1〜2)の一連の中性分子種を対象として研究した。これらには多くの幾何異性体があるが、有機化学あるいは分光学的手段で生成あるいは検出・同定されている分子種は非常に少なく、大部分が未知といえる。高速・高感度のフーリェ変換型分光器による測定で不安定・短寿命の分子種の検出に成功した。また測定用セルや反応条件を変えることよる収率あるいは反応分枝の制御も詳細に調べた。特にジメチルシアナミドの熱分解による、HCNの二量体であるC-シアノメタンイミンの生成は星間空間における化学進化との関連で重要である。この反応経路はいまだに未知であり、様々な反応条件下での生成物分布の解析を行っている。化学進化との関連では紫外光照射下での反応挙動が重要であると思われその方向での実験を準備中である。CS_2のN_2レーザの連続照射によるエアロゾル形成と粉末状沈澱物の生成について、赤外・Raman分光、質量分析等の研究を行った。現在、新素材の可能性の一つとして注目されているC_<60>関連の分子と極めて類似したスペクトルが得られているが、最終的な分子種の同定には至っていない。次年度には赤外・Raman分光法のみならず、質量分析法を積極的に組み入れた実験を行うこと、分光法も時間分解赤外分光、近系外フーリェ変換Raman分光法、低温マトリックス法等に拡張し、新分子発見および反応機構等の詳細な解明に努める予定である。
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[Publications] Y.Hamada: "Spectroscopic Study on the Pyrolytic Products of Amines" Applied Spectroscopy Reviews. 27. 289-321 (1992)
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[Publications] A.Matsuzaki: "Infrared Spectrum of Ueins-of-Leaf Cluster in Laser-Induced Aerosol Formation from CS_2 Vapor" Chemistry Letters. 411-414 (1992)
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[Publications] A.Matsuzaki: "Raman and infrared spectra of sediments in leser-induced aerosol formation from CS_2 vapor" Chemical Physics Letters. 190. 337-341 (1992)
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[Publications] A.Matsuzaki: "Morphological characteristics in laser-induced aerosol formation from CS_2 vapor" Chemical Physics Letters. 190. 331-336 (1992)
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[Publications] Y.Hamada: "Geometries and Vibrational Freguencies of Cl Hm Nn (l=1〜3,m=3〜9,n=1〜2)Molecules by a 4-31G(N^*) Basis Set" 放送大学研究年報. 10. 21- (1992)