1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04640488
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
佐藤 勝 埼玉大学, 分析センター, 助教授 (90008863)
|
Keywords | フェロセニルアセチレン / ルテノセニルアセチレン / 複核錯体 / 混合原子価錯体 / ペンタメチルルテノセン |
Research Abstract |
有機遷移金属錯体に導電性などの機能性が発現するメカニズムを明らかにする観点から、複核有機遷移金属錯体内での金属-金属間の相互作用におよぼす種々の因子を種々の遷移金属メタロセニルアセチリド錯体について検討した。以下にその研究結果を要約する。 1.鉄カルボニルアセチリド錯体をビスホスフィン存在下で光照射すると、鉄ホスフィンアセチリド錯体(1)を高収率で得ることが出来た。これら錯体の一電子酸化体はきわめて大きな電子の非局在化した系であることが各種スペクトル測定によって明らかになった。 2.ルテニウムルテノセニルアセチリド錯体(2)は、ルテノセニルアセチレンを相当するクロルルテニウム錯体とNH_4PF_6存在下で反応させ高収率で合成した。これら錯体の一電子酸化体は不安定で溶媒からプロトンを引き抜きビニリデン錯体を与えた。一方、二電子酸化体は安定な結晶として単離され、これは、両金属上に生じる不対電子が配位子を通してスピンを相殺した珍しい錯体である。 3.ペンタメチルルテノセニルアセチリド錯体(3)を上と同様な方法で合成した。この錯体の一電子酸化体は(2)と同様にビニリデン錯体を与えた。一方、二電子酸化体では分子内でのプロトン移動が起こり、フルベン配位子を有する新たな錯体が得られた。 4.フェロセニルアセチレンとクロル白金錯体との反応で白金フェロセニルアセチリド錯体(4)を合成した。これら錯体の一電子酸化体では、原子価間遷移がアリール置換基に直線的に依存した。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] M.Sato,H.Asano,S.Akabori: "Novel Dimeric Structure in the Pd(11)Complex of 1,10-dithia〔2〕(2,6)pyridino〔2〕-(1,1′)terrocenophane.A Connected Metal-metal Interaction" Journal of Organometallic Chemistry. 452. 105-109 (1993)
-
[Publications] M.Sato,H.Shigeta,M.Sekino,S.Akabori: "Synthesis,some reactions,and molecular structure of the Pd(BF_4)_2 complex of 1,1′-bis(diphenylphosphino)ferrocene" Journal of Organometallic Chemistry. 458. 199-204 (1993)
-
[Publications] M.Sekino,M.Sato,A.Nagasawa,K.Kikuchi: "Tungsten Carbyne Complexes Containing 1,1′-Bis(diphenylphosphino)ferrocene(dppf).Reverse Relationship between NMR Chemical Shifts of the Carbyne ^<13>C and ^<183>W Naclei and‥…" Organometallics. 13 in press. (1994)
-
[Publications] M.Sato,H.Shintate,Y.Kawata,M.Sekino,‥‥: "Oxidized Ruthenium Ferrocenylacetylide Complexes,[(η-C_5H_5)L_2 Ru CC Fc]PF_6 or [(η-C_5Me_5)L_2 Ru CC Fc]PF_6(L=phosphine).Well Electron-delocalized Heteronuclear……" Organometallics. 13 in press. (1994)