1992 Fiscal Year Annual Research Report
ポルフィリンを配位子とするリン・アンチモンおよびビスマス化合物の合成と反応の研究
Project/Area Number |
04640503
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山本 陽介 広島大学, 理学部, 助教授 (50158317)
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Keywords | ポルフィリン / アンチモン / アンチモン-炭素結合 / アルミニウム / 6配位 / ハイパーバレント / X線解析 |
Research Abstract |
有機アルミニウム試薬を用いたアンチモンと炭素のσ‐結合を有するアンチモン(V)テトラフェニルポルフィリン(4,5)の合成 テトラフェニルポルフィリンに、三臭化アンチモンを反応させることにより得られたアンチモン(III)-臭素結合を有するTPPSbBr(1)を、過酸化水素で処理してTPPSb^+(OH)_2(2)を得た。また2を塩化オキサリルと反応させた後、メタノールで処理すると、TPPSb^+(OH)(OMe)(3)が得られた。これらの化合物1と3とトリメチルアルミニウムの反応を行ったところ、1と3からはTPPSb^+Me_2(4)のみが得られたが、2からはTPPSb^+Me(OH)(5)のみが得られ、生成物を作り分けることができた。 アンチモンと炭素のσ‐結合を有するアンチモン(V)テトラフェニルポルフィリン(5)の変換と求核試剤の反応による誘導体合成 TPPSb^+Me(OH)(5)に対し、塩化オキサリルを反応させると、TPPSb^+MeCl(6)が得られ、メチル基は全く反応に関与しなかった。この結果、5のメチル基は、14族元素を中心元素とする元素-炭素を有する化合物などと比較して、驚くべき安定性を有していることが明らかになった。そこでメチル基を固定基とし、TPPSb^+MeCl(6)に対して種々の求核試剤を行なった。メタノールを反応させた場合、TPPSb^+Me(OMe)(7)を合成することができたが、エタノールやベンジルアミンのような求核試剤で反応を行うと目的化合物は得られなかった。そこで、6の代わりに、臭化オキサリルを用いて臭化物TPPSb^+MeBr(8)を合成したところ、8は6よりもずっと反応性が高く、TPPSb^+Me(OEt)(9)やTPPSb^+Me(NHCH2Ph)(10)等の化合物を得ることができた。
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[Publications] K.-y. Akiba: "Syrthesis, stracture, and Reactions of a 10-Sb-4 Type Antimony Ate Conplex" Chemistry Letters. 1559-1562 (1992)
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[Publications] K.-y. Akiba: "Synthesis, Structure, and Reactions of 10-Sn-5 Organotin Ate Conplexes" Chemistry Letters. 1563-1566 (1992)
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[Publications] X.Chen: "Synthesis, Struture, and Reactions or 10-Bi-4 Orgambismuth Ate Conplexes" Tetrahedron Letters. 33. 6653-6656 (1992)
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[Publications] Y. Yamamoto: "Synthesis and Crystal Structure of Intramokwlarly Coordinatid Organobismuth Conpounds and Edge Inversion at Trivalent Bismuth" Journal of the American Chemical Society. 114. 7906-7907 (1992)
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[Publications] S. Yoshida: "Crystal and Moleular Structures of Bisnuth Conpounds of a Spiro‐σ‐sulfurane Type" Acta Crystallographica, Section B. 49. (1993)
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[Publications] X.Chen: "Synthesis, Halogenolysis, and Crystal Structure of Hypervalent Organobismuth Conpounds (10‐Bi‐5)" Organometallics. 12. (1993)