1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04640507
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
田中 耕一 愛媛大学, 工学部, 助教授 (10116949)
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Keywords | ホスト-ゲスト錯体 / 分子設計 / 光学分割 / 不斉反応制御 / キラルシフト試剤 / 不斉織別 |
Research Abstract |
光学活性プロパルギルアルコールと各種の芳香族ジハライドとの反応により2個のプロパルギルアルコールユニットの間にスペーサーとして芳香環を導入した光学活性ジオールホストを設計・開発した。スペーサーの種類により特徴的な包接挙動を示し、又、高い不斉識別能力を有することも判った。たとえば、ベンゼン環のP位に2個の光学活性プロパルギルアルコールが置換したホストを用いると、プロスタグランジン合成における鍵化合物である4-ヒドロキシシクロペンテノンの光学分割が極めて能率良く行なえる。又、天然不斉源である酒石酸から誘導されるジオールホストは、各種の二級アルコール、シアノヒドリン、アセタール誘導体の光学分割に都合が良いことも判った。 光学活性ホストに包接させて分子配列を規制した各種のエノンの分子内及び分子間不斉光環化反応を研究した。たとえば、アセチレンジオールホストに取り込ませたシクロヘキセノンの固相光反応では、4個の可能な光二量体のうち光学活性なanti-head-to-heod二量体のみが選択的に得られた。更にクマリンの光二量化反応では、4種類の可能な二量体のうち3種類をホストを適当に選ぶことにより選択的に作り分けることができることも見出した。アクリルアニリドからジヒドロキノリノンへの不斉光環化反応制御にも成功し、両方のエナンチオマーを99%以上の光学純度で製造できることも判った。 溶液中に於ても光学的活性ホストとゲストが互いにその不斉を識別し、NMRのキラルシフト試剤として利用できることも見出した。又ある種のアルキルアンモニウム塩が種々のフェノール類を取り込んで結晶性錯体を作ることも見出しているが、次年度に重点的に研究を行なう予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K. Tanaka: "Efficient Optical Resolution of Some Key Compounds of Prostaglandin Synthesis" Tetrahedron: Asymmetry. 3. 517-520 (1992)
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[Publications] K. Tanaka: "Triplet Biradicals That are Stable in Crystal" Mol. Cryst. Liq. Cryst.219. 135-137 (1992)
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[Publications] K. Tanaka: "Optically Active trans-Bis(hydrixydiphenylmethyl)-2,2-dimethy1-1,3-dioxacyclopentane and Its Derivatives AS Chiral Shift Reaqents ....." Tetrahedron: Asymmetry. 3. 709-712 (1992)
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[Publications] K. Tanaka: "Regio- and Enantio-selective Photodimerization of Cyclohex-2-enores as an Inclusion Complex with a New Optically Active Host............." J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1. 307 (1992)
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[Publications] K. Tanaka: "Selective Photodimerization of Coumarin in Crystalline Inclusion Compounds." J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1. 943-944 (1992)
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[Publications] K. Tanaka: "Control of the Stereochemistry in the Photocyclization of Acrylanilides to 3,4-Dihydroquinoline-2(1H)-ones." J. Chem. Soc., Chem. Commun.1053-1054 (1992)