1992 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の迅速合成法の一般化とそれを用いたシステイン含有タンパク質の合成
Project/Area Number |
04640527
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
相本 三郎 大阪大学, たんぱく質研究所, 助教授 (80029967)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北條 裕信 大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (00209214)
|
Keywords | ペプチド合成 / タンパク質合成 / チオエステル / セグメント縮合 / 固相合成法 |
Research Abstract |
長鎖ペプチドの合成に使用可能な、システイン残基を含有する部分保護ペプチドチオエステルを調製する2つの方法を開発することができた。 1つは、メリフィールド樹脂を用いてペプチドを固相合成し、低濃度のHF処理によりペプチドを取り出す方法である。システインのSH基の保護基として4-MeBzl基を用いると、この保護基が付いたままのペプチドチオエステルを得ることができる。4-MeBzl基は、銀イオンで分解を受けない。 2つ目の方法は、メリフィールド樹脂よりも酸に対して安定なPAM樹脂を用いてペプチドを固相合成する方法である。合成したペプチドを高濃度のHFで処理して樹脂から取り出し、得られたペプチドチオエステル中のSH基に4-MeBzl基を導入する方法である。導入試薬4-MeBzl-Clを中性付近でペプチドと反応させると、4-MeBzl基がSH基にすみやかに導入されることが判明した。こちらの方法の方が、部分保護システイン含有ペプチドチオエステルの調製法として、より一般化が可能な方法である。 2番目の方法を用いて、28残基のアミノ酸よりなるhANP(1-28)の合成を試みた。まず、保護ペプチド樹脂をHF処理し、hANP(1-9)-SC(CH_3)CH_2CO-Nle-NH_2を得、これに、MeBzl基とBoc基を順次導入してBoc-hANP(1-9)(MeBzl)-SC(CH_3)CH_2CO-Nle-NH_2へと誘導した。一方、保護ペプチド樹脂をHF処理して得られたhANP(10-28)にMeBzl基を導入してhANP(10-28)(MeBzl)を得た。両者を銀イオン存在下セグメント縮合を行い、Boc-hANP(1-28)(MeBzl)_2を得、HF処理の後、最終的にジスルフィド結合を有するhANP(1-28)を合成することができた。 以上の結果より、当初の計画通り、システイン含有ペプチドのペプチドチオエステル法による合成の基礎を作ることができた。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Y.Kwon,R.Zhang,H.Hojo,and S.Aimoto: "Preparation of Partially Protected Peptide Thioesters Containing Cysteine Residues and Their Segment Condensation" Peptide Chemistry 1992,N.Yanaihara(Ed.)Protein Research Foundation. (1993)