1993 Fiscal Year Annual Research Report
光学活性グリシドールを用いた含窒素キラルシントンの開発とその天然物合成への利用
Project/Area Number |
04640533
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
勝村 成雄 関西学院大学, 理学部, 教授 (70047364)
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Keywords | 光学活性グリシドール / オキサゾリジノンキラルシントン / ヒドロキシアミノアルコール / 立体選択的合成 / スフィンゴシン / 両異性体 / キラル補助剤 / 不斉アルドール反応 |
Research Abstract |
先に、グリシドールから開発したオキサゾリジノンキラルビルディングブロックを原料とし、ヒドロキシアミノアルコール類の一般的合成法の開発の一環として、トレオニノール、フェニルアラニノールの全ての異性体の立体選択的合成を達成した。そこで昨年度は上記の方法を、プロテインキナーゼC阻害などの興味深い生理活性を持ち、4位にEオレフィンを有する3-ヒドロキシアミノアルコールであるスフィンゴシンの高立体選択的合成に展開し、全ての立体異性体を合成できる方法を確立した。すなわち、まず、先に開発した光学的に純粋な4-メトキシカルボニルオキサゾリジノンのリチウムアセチリドによるモノアルキル化に成功し、次いで、得られたアセチレンケトンにトリアルキルスズまたはシリル基を共役付加させ、beta位にアルキルスズまたはシリル基をもったエノンを収率良く合成した。これらエノンのアルコールの還元に於て、スズやシリル基を持たない場合には選択性に乏しかったケトンの還元が、スズやシリル基の導入によって嵩高くなり、極めて高い立体選択性で進行するころを見い出した。さらに、得られたシンの立体化学をもつアミノアルコールのアルコールを、光延法により反転させ、アンチ体のアミノアルコールも選択的に合成することに成功した。このようにして、光学的に純粋なスフィンゴシンの効率より合成を達成した。 一方、先に開発した4-アルコキシメチルオキサゾリジノンのキラル補助剤としての利用として、N-アシル体のアルドール反応について検討した。その結果、リチウムエノラートの場合は、既に確立されているD.A.Evansらの方法を用いた場合と同様な立体選択性を与え、チタンエノラートの場合は逆の立体選択性を与えることが明かとなった。これらについては、目下さらに検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Katsumura: "Synthesis of Oxazoridinone Phospholipid Analogue As a New lnhibitor of Phodpholipase A_2" Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters. 3. 2703-2706 (1993)
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[Publications] S.Katsumura: "Diastereoselective Synthesis of gamma-Hydroxy-beta-amino Alcohols,(2S,3S)-and(2S,3R)-Threoninol and-Hydroxyphenylalaninol,from(R)-Glycidol" Tetrahedron:Asymmetry. 5,(in press). (1994)